【片足の美容師】生か死か。普通に生きられることが幸せ。極限状態を乗り越え、片足を失った経験が、今の自分を作っている。

みんなが寝ている間も勉強したから上手くいかないはずがない

 

 

ただ両親は、美容師になるという僕の夢には首を縦に振ってくれず、大学進学や公務員への道を勧められました。そこで高校卒業後は、しばらくは紳士服や結婚式の新郎役などのモデルの仕事でお金を貯め、中日美容専門学校に入学。2年遅れで美容師になったんです。

 

最初に勤めたのは全国展開する大手サロン。義足をつけてサロンワークするのですが、義足と肌が当たる部分が痛いんですよね。みなさんが膝立ちのまま仕事をしているのと似たような感覚だと思います。

 

重たい義足をつけて歩き回るのは大変なので「早くスタイリストになってカット中心の働き方をしよう」と考えました。シャンプーなどの仕事をアシスタントに任せられる立場になれば移動が減り、体の負担も減る。それが一刻も早くデビューするための原動力になりました。

 

義足をつけているときの痛さも、スタイリストになるためのモチベーションにした。

 

3年半でスタイリストになり、デビュー初月に200万円を売上げました。この結果は、僕にセンスがあったからとか、Instagramのフォロワーが多かったからではありません。みんなが寝ている間に勉強していたし、誰よりも本気になって練習をしてきたからだと思っています。

 

今、カラーもカットも自信があるのは、思い浮かぶ限りの勉強法を全て試してきた結果だからだと思います。納得のいくレベルまで技術を高めてからお客さまに提供するようにしていました。「この仕事で稼いでいくんだ」という気持ちは誰よりも強かったです。

 

サロンワーク中は美容師として120%お客さまに寄り添う。

 

>普通に生きられることは、当たり前じゃない

 

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