【Tokyo Young Vision】美容師×アーティスト Rentoの哲学―ハサミとマイクで描く自己成長と次なるステージ。夢を諦めない生き方、その覚悟と挑戦
ラッパーやDJ、クリエイターなどで構成されるHIPHOPクルー「Tokyo Young Vision」のメンバーであり、美容師としても活躍しているレント(Rento Nakamori)さん。新卒で有名クリエイティブサロンに入社し、同期が次々に脱落していく中で3年間の厳しい修行時代を乗り越え、スタイリストデビュー。その期間に”やめる”という選択肢がなかったのは、美容師としての成功だけがゴールではなかったからです。そしてデビュー1年後、名だたるミュージシャンや海外アーティストからも支持される高い美容技術力とセンスを武器に、さらにパワーアップ。フリーランスになってからは音楽活動にも注力し、今年は遂に”夢”実現に向けた活動をスタートさせるそうです。その情熱の源と仕事観、今後の活動について聞きました。
中卒が当たり前の環境で、単身NYへ…
――レントさんは新卒で都内のクリエイティブサロンに入社していますが、地元は静岡だとか。
はい、僕が育ったのはかなりカオスな街で、中卒で働くのが当たり前という環境で育ちました。そんな中で、夢を持たせてくれる先輩たちが周りにいっぱいいたんです。同じくらい悪い奴らもたくさんいたんですけど、いい先輩たちのおかげで、僕は高校3年のときに「歌手」という夢ができて。得意だったんですよ、歌が。でも当時の環境的に現実味がなくて、どうやって実現させる?と考えたときに、まずは上京するしかないと。それで、親を説得するために美容師になることにしたんです。25歳までに美容師として独り立ちして、自分の力で飯を食いながら夢を目指せるようになっていれば文句ないでしょ、って。
とはいえ、当時の僕は美容の楽しさが全くわからなかったし、世の中のこともよく知らなくて。それで美容学校に行く前に、とりあえず世界を見ようと思い、単身でニューヨークに飛んだんです。そんな奴は地元では考えられないほどレアでしたけど、いろいろ知りたかったし、地元ではできない経験をしようと。現地でいろんなものを見て感じて帰ってきて、それで美容学校に入学しました。
美容学校時代、就職先を探すために、それこそ『リクエストQJ』を見ていたときにカンタロウさんの存在を知ったんです。こんな人いるの!?と強烈なインパクトを受けて、そこからサロン『LIM(リム)』を知り、『DOT+LIM(ドットプラスリム)』に採用していただきました。