ランニング×美容師の相乗効果とは!? 人気美容師たちが語る、「走ること」の魅力
100mileの道のりで鍛えられたメンタル! 走りも美容師業も積みあげた努力は裏切らない。トレラン美容師のBroccoli playhair 藤川英樹さん
―あなたが、走り始めたきっかけを教えてください。
以前はお酒に溺れていて、健康維持とダイエットのために走り始めました。「美味しくビールを飲むため」というのが大きな理由でしたね。物欲の多い僕は、街の中を走っているとショップに吸い込まれて衝動買いをしてしまうので、山へ行けばそれもできないなと思ったのがきっかけで、トレイルランを始めました。結局ネットでポチッとしてしまうのですが…(笑)
―普段、どのように走っていますか?
週5-6日のペースで、1時間から2時間ほど走っています。
2018年から、トレイルランのレースにも出るようになりました。最初はチリのアタカマ砂漠で、250kmのステージレースに。そこからロングレースにはまり、今は100mile(約160km)のレースをメインステージにしています。今後はトラック練習などのトレーニングも行うことで、今までとは違う方向から心肺にアプローチし、走力の底上げをしようと思っています。そのために、2024年の冬はフルマラソンに挑戦したいですね。
―あなたが「なぜトレランを走るのか」について、教えてください。
「走る」ことは、距離以上に僕自身をいろいろな場所や世界へ連れて行ってくれるものだと思います。ランナーとしての仕事が増えたり、走ることを通じていろんな人と出会えたり…飲んだくれていたころの自分からは想像できなかったことが、たくさん起こっています。
それにフルマラソンでは若者に太刀打ちできないかもしれないけれど、ロングのトレイルレースでは勝負ができるし、上位に食い込むこともできます。僕は現在42歳ですが、年上の人に抜かれることももちろんあります。選手寿命が長い競技なのでこれからが楽しみです。息子が20歳になったとき、僕は60歳。そのとき一緒のレースに出たりしたいので、これからも走り続けたいです。
―「走ること」と、美容師の仕事の共通点は何ですか?
マラソンは走力だけでなく、メンタルの強さがとても重要です。同じ景色のトラックを何周もする中で、脚が動かなくなってもなんとか先に進めますが、心が折れてしまうと脚を一歩前に出すのも怖くなります。マラソンやトレイルランのレースでは、奇跡は起きません。毎日、コツコツ積み重ねることが大切。美容師も、コツコツ地道な練習を続けることが、技術の向上やお客さまからの信頼につながると思います。
―「走ること」に興味のある美容師のみなさんに、アドバイスをお願いします!
まずは足に良くて、見た目が好みのシューズを買いましょう。怪我をすると降り出しに戻りますからね。そして、走るときは「何km走る」と距離を決めるよりも、時間を決めるのがおすすめです。例えば「歩いてでも良いから毎日1時間続ける」と考えるほうが続けやすいし、効果も出ると思います。
あとは、グループランを行っているチームやコミュニティはたくさんあるので、そういうところに勇気を出して飛び込むのも良いと思います。一人で走るよりも楽しく、切磋琢磨できます。Broccoliでも月に一度、営業後にみんなでグループランをやって、その後美容室の店内で飲んで親睦を深めています。もし興味あればぜひきてみてください。初心者大歓迎です!
Broccoli playhair
オーナー/藤川 英樹(ふじかわ ひでき)
1981年生まれ、兵庫県出身。ハリウッド美容学校を卒業後、都内で4年勤務。25歳でオーストラリアへ行き、真珠の養殖をしながら出張美容師として働く。その後、髪を切りながら1年半で世界中を周り、28歳で帰国。30歳でBroccoli playhairを立ち上げる。32歳からランニングを始め、今は100mileなどのロングのトレイルレースを主戦場に、走りながら美容師を続けている。
Instagram:@hdk_broccoli
ランアカウント:@hdk_trailrun
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