ホスト界の帝王ROLANDは“言葉のチカラ”で人生を変える発明家!? ROLANDさんに学ぶプロフェッショナルの姿勢【前編】
「僕には、言葉を通じて人の人生を変える発明家だという自負がある」
―ROLANDさんといえば、ご著書のタイトルにもなった「俺か、俺以外か」をはじめ、キャッチーでオリジナリティあふれる言葉を生み出す存在としても、注目されていますよね。言葉というものに、すごくこだわりがあるようにお見受けします。
僕は言葉を「作品」だと思っています。コミュニケーションのただのツールだけに留まらないものだと。例えば、スティーブ・ジョブズの本が人の人生を変えるように、ピンとくる一言とかを発するだけで、iPhoneを開発したのと同じくらい人の人生に影響を与えますよね。僕はもともと理系ではなく文系の人間なので、テクノロジーを開発するチカラはありません。でも、言葉を通じて人を喜ばせたり幸せにしているという意味では、発明家だと自負しています。僕にとっては、人の人生の変える発明をしているという気持ちで一つひとつの言葉を考えているんです。
例えば、「去る者を追わず」という言葉は、常識のようによく使われていますよね。でも、その言葉の中には、「本当は追いかけたいけど、忘れなきゃいけないんだろうな」という寂しさや、無理している感があるなと思っていて。
もう少しリノベーションした方がいい言葉になると考えて発明したのが、「去る物を追い越す」という言葉。無理して去った者を忘れようとしなくても、相手への未練を受け入れて、なおかつその人の前を行くというポジティブな意味合いに変わるんです。胸を張って、去った者を追い越すくらいがんばればいい。広辞苑を書き換えたいくらいですよ(笑)。
―ROLANDさんが、言葉を操る表現者として、気をつけていることはありますか?
言い回しが凡庸な表現にならないように心がけていますね。
例えば、インタビュアーのかたでも、言葉の魔法を持っている人っているんですよ。「誰のファッションをマネしていますか」という質問を、「有名人の中で、誰のクローゼットを盗みに入りたいですか」という聞き方にするとユニークですよね。質問の意味合いは同じでも、後者のほうがインテリジェンスを感じますし,
「この人ともっと話してみたい」という気持ちが芽生えます。だからこそ、自分が相手に言葉を伝えるときには、ありきたりな表現にならないように意識しています。
―なるほど! こうしてインタビューしている私たちも、表現者ということですね。ちょっとドキッとしてしまいました…(笑)ところで、ROLANDさんのひらめきが出やすい場所ってありますか?
移動中の車の中ですね。とくに高速をはしっているときが多いです。
運転中って、物理的にハンドル握って前を見ているしかできない状況。だから、それ以外は強制的に無になりますよね。前だけ見ている姿勢で頭の中が空っぽになるとアイデアがうまれやすい。やっぱり、「うまいこと言おう」「いいこと書こう」とか構えていると、チカラが入ってできないんですよ。サッカーと同じで、「いいプレイしよう」と思っていると、モチベーションは上がるんですけど気合いが入りすぎて空回りしやすい。その点、運転中は、いい感じにチカラが抜けて、いいアイデアも生まれます。