年収1億円美容師が教える、20代のうちに身につけておきたい5つの習慣 ―アースホールディングス取締役山下誠司さん
初めは簡単なことからでいい。「成功したい」と思う20代美容師に実行してほしい5つの習慣
1.始業の2時間前に出勤する
朝の1時間は日中の4時間に匹敵するほど仕事が進むと言われています。私は24歳のとき開店の2時間前に出勤して練習をしていました。そうすると開店前に8時間分の練習をしたことになるんです。そこから営業が8時間ある場合、1日で2日分働いたことになるため、他の人より2倍速で成長が見込めます。
2時間前に出勤して練習や仕事をする際は、目標を持つと、自然と集中して取り組むことができる。例えば、「20分以内に60本ロッドを巻く」など。朝は、始業時間が決まっているため、オープン前に立てた目標を達成しなければいけません。就業後の練習は終わりの時間が決まっていないぶん無駄な時間をかけがち。時間に制限があることで集中して取り組むことができます。
2.ダメ出しの一番厳しい上司の下で働く
自分の欠点は人から言われないと気づかないものです。これは専門学校卒業後、最初に勤めたサロンの社長に言われたこと。社会人になって3年でその人の仕事に対する姿勢やスタイルなどが決まるので、欠点は早く指摘を受けて改善したほうがいいんです。
私は「笑顔がない」、「仕事のスピードが遅い」、「人の話を聞いていない」、「返事が暗い」と、当時一番厳しかった店長や社長に散々言われました。言われたときは凹みますが、今思えば言われなければ自分の欠点や弱点に気づけなかったと思います。
3.1ヵ月に3冊の本を読む
読書は、自分の知らない知識がすぐに手に入る有効な手段。私は「本1冊を読むごとに1人の部下に通用するようになる」という考えを持っています。私は19歳のときから1ヵ月に10冊以上は読んでいたので、23年で約2640冊読んだことになります。現在弊社は、社員総数が約3000人。その人数には通用するようになった自負があります。
本の選び方は最初は自分の好きなものでOKです。私が20代のころは、戦国武将や、接客のノウハウ、有名経営者の本などを読んでいました。そのうち慣れてきたら、「今自分がぶつかっている壁」の答えが見つかるようなものを選ぶなどするとよいと思います。
4.まずは自分の客数を見る
数字と聞くと“追われる”イメージを持ち、プレッシャーを感じる美容師さんも多いと思いますが、逆に追えば楽しくなるんです。
アシスタントなら、まずはシャンプー指名の数を数えてみましょう。月に100人という目標を立てたら、出勤日数で割ると1日4名の入店が必要です。1日目が3人、2日目も3人、3日目も3人だったとしたら、目標達成に足りない差分は3人。この人数なら4日目以降に挽回することができます。一方で数字を数えず月末になってから、「あと20人足りない」と気づいたときは、もう手遅れ。数字を数え10日目ですでに50人入店していれば「今日は少し力が抜けるな」と気持ちも楽になります。数字を見ると、力の入れどころと抜きどころがわかるようになるため、数字を追えるようになると、考え方がガラリと変わります。
5.外見と声を変える
僕はアシスタントの時代「美容師は見た目より技術。技術があればお客さまは勝手につく」と思い、笑顔を作ることに気恥ずかしさがありました。でも実際は、笑顔のない美容師にお客さまがつくはずがないんです。それにアシスタント時代は自分より技術や経験も優れた先輩がいるのに、新人が技術で勝負できるはずありません。
なので、若い美容師には「中身(技術)がないうちは外見で勝負しろ」と言いたいです。第一印象は外見が6割、声が3割、中身1割。まずは外見と声を変えてみてください。