現役美容師の泣ける話! 思わず母の日と父の日に「ありがとう」と言いたくなる、親子の感動エピソード集
美容師の家庭で育ち、東京へ。上京する日に父から託されたものとは(27歳/女性)
両親が美容師の家で育った私は、何となく小さいころから「私も美容師になるんだろうな」と思っていました。ただ「美容師になるからには、実家ではなく有名店で働き、挑戦したい」と思ったんです。
美容学生のときにその想いを両親に伝えところ、反対することなく受け入れてくれました。
そして、就職先が決まり実家を出る日のこと。父から「デビューしたら使いなさい」と、父が使っていた研ぎたてのハサミをプレゼントされました。美容師にとってハサミはとても大切なもの。それを娘とはいえ託してくれたことが、うれしく、胸に込み上げるものがありました。
「これは本気で頑張らないと」と燃え、アシスタント時代を乗り切れました。
両親に反対されていた過去。約束の日に父が亡くなり…(32歳/男性)
通っていた高校が進学校だったこともあり、美容師になることに両親は猛反対していました。苦しかったアシスタント期間も、「いつか親を認めさせてみせる」という一心があったからこそ、頑張れたようなもの。
いよいよスタイリストデビューすることが決まり、父をカットするという約束をしていました。しかし、予定の前日に「父が倒れた」と連絡があり、急いで病院に向かいましたが、そのまま父は帰らぬ人に。
実は、父が倒れる1年前から「もう先は短い」と言われていたそう。家族でそのことを知らなかったのは僕だけでした。「なんでだ!」と母を怒ったら、「デビュー前で大変なときだから、集中させてあげたい、絶対に僕にだけは言うな」と父から言われていたそうです。それを聞き、本当はずっと応援してくれていたんだと…。その日は、人生で1番泣きました。
父の死を通して、当たり前にいる存在が突然いなくなることを痛感し、だからこそ無駄にしていい時間なんてないと強く思いました。それに、早くスタイリストになれるようもっと頑張るべきだったと後悔もしました。だからこそ、今はより美容師という仕事に本気で向き合えています。