美容サービスだけをする時代は終わった!? 美容室と撮影スタジオが合体した「美容室KATSUMATA」に聞く新しいお店展開

写真も美容もセンスが必要なので、美容師さんはカメラマンに向いている

 

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1階はサロンになっている

 

-美容師とカメラマン。両者の仕事にどんな共通点がありますか?

 

内容は違うのですが、何を学ぶかは一緒です。カメラマンは写真の歴史を学ぶ必要があるんですが、美容師だってヘアメイクの歴史も学ばないといけない。あとは美容師もカメラマンもセンスが必要となる職業なので、そこは共通していますね。だから美容師さんはいい写真が撮れる方が多いんじゃないかな、と。

 

-カメラマンとしても仕事をすることで、美容師という職業に何か変化がありましたか?

 

カメラマン目線で施術できるようになったのは大きいですね。美容師は鏡のなかで仕事をしていますが、カメラマンは360度、さまざまな角度からお客さまを見ないといけない。そういう目線を持ってカットできるようになりました。バランス感覚やヘアカットの仕上げが変わりましたね。

 

-逆に美容師であることが、カメラマンという職業にどんなメリットを与えましたか?

 

喋りなれているせいか、お客さまとコミュニケーションを取りやすいのは美容師でよかったな、と思う部分です。僕のポートレート写真って、あったかいと言われることが多いんですよ。写真ってカメラマンと被写体の信頼関係によって、撮れる内容が変わるんです。美容師として接客技術を磨いてきたおかげで、被写体と信頼関係をすぐに築ける。だから、写真に“あったかさ”を生み出せるんじゃないかな、と思っています。

 

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勝亦さんが撮影した妊婦さんのポートレート写真

 

-スタジオを併設したことによって、サロンにはどんなメリットがありましたか?

 

写真館ってヘアメイクとセットで撮影している場合が多いじゃないですか。たとえば成人式のヘアメイクは美容室の仕事だったのですが、今は写真館のスタッフがやっています。それって美容室から見ると、お客さまを取られているということなんですよ。それを取り返したということがお店にはメリットだと思います。

 

先ほど撮影スタジオを利用するお客さまは、家族の方が多いと申し上げたのですが、おかげさまで美容室にも家族のお客さまが増えました。家族のイベントを写真で切り取れるのは、カメラマンをしている時の楽しみのひとつです。結婚式を撮って、妊娠したら撮って、子どもが生まれたら撮って、1歳の誕生日を撮って、七五三を撮って…。一緒に家族の歴史を残していけるんです。でも美容師という仕事もそうですよね。リピーターのお客さまと一緒に人生を進んでいける。美容師はお客さまの髪の歴史を残し、カメラマンは人生のできごとを残していける。そういった意味で両者は似ていますね。

 

-では最後に写真が苦手な美容師さんでも、女の子をかわいく撮れるコツを教えてください。

 

柔らかい光の中に被写体を立たせて、撮ってみてください。窓に光があるなら、逆行を利用して撮るとなおいい。柔らかい雰囲気の写真ができあがりますよ。

 

プロフィール
美容室KATSUMATA
代表/勝亦 裕(かつまた ひろし)
1935年に静岡県御殿場市で創業した美容室KATSUMATAの三代目オーナー。現在は美容師としてだけでなくカメラマンとしても活躍中。美容室の2階にはKatsumata Studioを併設している。

(取材・文/QJナビ編集部  写真提供/勝亦裕)

 

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