美容室で利き酒、味噌作り!? 堀江さんが新ブランド『JENO』が考える、美容室の可能性の広げ方

これからの美容室は、人と出来事の結び目になる

 

 

−お客さま向けのワークショップも開催されているようですが、このねらいは?

 

日本酒を知るワークショップや、音楽会(音楽アーティストを招いて開催)などですよね。次回は味噌づくりのワークショップも予定しています。これらは「+JENO」というプロジェクトとして、行っている活動です。美容室という場所を生かして、お客さまの生活を少しでも豊かにするお手伝いができればと思って始めました。

 

—あえて美容と関係のないテーマを選んでいるのですか?

 

僕たちの専門は美容ですが、お客さまにとっては「髪を切ること」も、「音楽を聴くこと」や「美味しい食べ物を食べること」も、日々の生活を豊かにするものと考えることができると思います。美容の可能性の広げ方はいろいろあると思うのですが、『JENO』ではこういう方向で、お客さまにとっての美容室の可能性を広げていきたいです。

 

 

—ワークショップを開催してみて、お客さまの反応はいかがですか?

 

まだ始めたばかりの活動ですが、楽しんでいただけていると思います。お客さま同士がつながったり、ワークショップへの参加がきっかけで髪を切りに来店してくださったお客さまもいたり、良い循環が生まれ始めているように思います。スタッフも美容以外の出来事に触れられるのを、楽しんでいます。

 

僕ら美容師はサロンワークなどを通して、日々たくさんの人との出会いに恵まれています。そこでの繋がりを、美容室の中で完結させるのではなく、新たな交流を生み出す結び目のような場所となることを目指しています。

 

—これまでの美容室に、新たな役割が加わった感じですね!

 

そう、そんな感じです! 美容の枠をはみ出しているように見えるかもしれませんが、結果として、こういった活動が美容そのものの枠を大きくすることにつながるのではと思っています。そういった形で、美容の世界に恩返しができたらいいなと思っています。

 

プロフィール
JENO
代表/堀江 昌樹(ほりえ まさき)

ル・トーア東亜美容専門学校を卒業後、apishに入社。「apish jeno」の店長を経て、全店統括のクリエイティブディレクターに就任。2017年2月、社内独立にてapishのニューブランド「JENO」をオープン。

 

(取材・文/福田 真木子 写真/河合 信幸)

 

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