「静岡で子育て・東京で働く」”出稼ぎ”ママ美容師という働き方|「HOULe」erikoさんにインタビュー
結婚・出産を経た女性美容師さんの悩みといえば、「家庭と仕事の両立」でしょう。ときにパートナーの仕事の都合などで引っ越しをして、慣れ親しんだ職場を離れるという選択をすることもありますよね。
「HOULe」のスタイリスト・erikoさんも、まさにそんな女性美容師のひとり。3歳になる一人娘のママでもあるerikoさんは、2016年3月から地元・静岡に住みはじめました。
そこで彼女がとったのは、静岡から東京に通う「出稼ぎ」という方法でした。現在、住居のある静岡から月に数回、東京のサロンへ通い、サロンワークや雑誌などのヘアをこなしながら、育児にも奮闘しています。そんなerikoさんにママ美容師としての新しい働き方を伺いました。
周囲に身内がいない…そんな環境で働きながらの子育ては大変
-2016年3月から静岡に移住され、静岡から東京に通うという働き方をはじめられたそうですね。それまでは、どのような働き方をされていたのですか?
子どもが生まれてから9ヶ月間の育休をいただき、10ヶ月目から復帰しました。本来は1年間育休がとれるんですが、いきなりフルで復帰するのは辛いと思ったので、早めに復帰し、最初の2ヶ月は週2日だけ働いて徐々に体を慣らしていきました。
その後は週5日、10~17時の時短勤務で働きました。ただ、復帰2年目からは夫に娘の世話を任せられるようになったので、週に2日だけ20時まで延長しました。やっぱり夜しかこられないお客さまもいらっしゃいますので。お休みは日曜と定休日の月曜に、固定でもらっていました。
-時短勤務をしている間、仕事と育児の両立で困ったことはありませんでしたか?
東京に身内がいないので、正直大変なことは多かったですね。保育園に預けていても、熱が出たなど突然の呼び出しが頻繁にあって、そのたびに早退させてもらっていました。娘がちょっとした病気にかかって1ヶ月入院したときは、仕事を1ヶ月も休ませてもらったり。いつかは2人目がほしいと思っているので、そうなるとこのままの働き方は難しいんじゃないかな、と懸念していました。
-そんななかで、地元の静岡へ移住したキッカケは何だったのでしょう?
同郷の主人が、地元に飲食店を開業したことがキッカケです。身内がいないなかで共働きを続ける大変さも感じていましたし、主人から「静岡の伸び伸びとした環境で子どもを育ててみない?」という提案もあり、一家で静岡に移住することに決めました。その時点では、HOULeを離れることになるだろうと思っていたんです。
-それが、なぜ静岡から東京に通うという働き方に?
辞めるつもりで社長に移住の報告をしたところ、「辞めるんじゃなくて、静岡からときどきこっちに通ってくるのはどう?」と提案してくれて。実は、私の頭のなかにも“出稼ぎ”という選択肢はあったんですが、自分からは言えなかったんです。たまたま、HOULeに1人育休中の美容師がいて女性美容師が必要だったことと、私の地元から東京までは新幹線で1時間と通えない距離ではなかったこともあり、話し合いの結果、契約社員に形態を変え静岡から通うことになりました。
-社長さんからの提案だったんですね。現在のワークスタイルをお聞きしたいです。
月に4〜5日出勤し、平日は3〜4日、土日はどこか1日というふうに、曜日はバラバラにしています。そのほうがお客さまの都合に合わせやすいんですよ。現在は面貸しのスタイルで自分の売上の何%かをお店に入れ、残りが私の収入になります。交通費は自分の収入から差し引かれるので、なるべく出勤日を減らして1日にたくさんのお客さまを施術できればいいんですが、こればかりは私のワガママなので…。でも、おかげさまで今のところはお客さまが出勤日に集中してきてくださっています。