40歳の節目に、前の職場で22年間培った価値観を手放した 断捨離人生 stair:case /中村 太輔さん

独立前の価値観を引きずっていては、前のサロンを超えられない

 

 

たとえば、独立前の僕の価値観では、「美容師は美しいヘアスタイル、カラーを提供するのが当たり前」だったので、わざわざお客さまを褒めることはありませんでした。プロが施術するわけですから、美しくなって当然。そういう環境で育ってきたから、お客さまを褒めないことに対して、何の疑問もありませんでした。

 

 

それが、独立後はそれぞれ異なる6サロンからスタッフが集まったので、美容に対するスタンスや価値観も異なるわけです。「素敵ですね!」「本当によくお似合いです!」と、とにかくお客さまを褒めまくるスタッフもいます。最初は、その様子を見て違和感を抱きました。

 

でも、褒められたお客さまはどうなんだろうと思ってお顔を覗いてみると、まんざらでもない、うれしそうな顔をしているわけです。そのとき改めて「自分の価値観も含めて変えていかないと、前のサロンは絶対に超えられない」と感じました。「せっかく6サロンからスタッフが集まっているのだから、自分にとって新しいことをどんどん試して、化学反応を起こしていきたい。とにかく、変わらなくてはならないのは自分自身だ」と。

 

 

「中村さん、働き方が全然ヘルシーじゃないですね」と言われて、働き方も変えました。スタッフが僕に対して、率直な意見をくれることにも感謝しています。みんなでお互いの価値観をぶつけあって、新しいものをつくっていくことが大事だからです

 

独立したときの年齢がちょうど40歳。これも運命的なタイミングだったと思います。人は、年を重ねるほどに頑固になりやすいものです。反対意見に対して素直に耳を傾けられない人もいます。そうなってしまうと、もう過去の自分を超えることができない。40歳はある意味、断捨離できる最後のタイミングだったのかもしれません。

 

>凡人が天才に近づくためにしていること

 

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