40歳の節目に、前の職場で22年間培った価値観を手放した 断捨離人生 stair:case /中村 太輔さん

 

 

両手いっぱいに大切なものを抱えた人生は、豊かに見えて実は息苦しいもの。高く飛ぶためには、一度手放すことも大切です。美容業界の偉人たちは、何を得て、何を捨てたのか。第二回目は、stair:caseで活躍するヘアカラーの巨匠、中村 太輔さんです。22年間勤めた有名店を辞めて、時枝弘明氏とともに新ブランドを立ち上げるにあたり、何を捨てて、何を得たのか、胸の内を語っていただきました。

 


 

全てを手放したからこそ「ゼロからやる」という覚悟が生まれた

 

 

今回、断捨離というテーマをいただいて、これまでの歩みを振り返る良いきっかけになると思い、いろいろと考えました。2年前に時枝と一緒にstair:caseを立ち上げたときが、断捨離のタイミングだったと思います。

 

僕は以前の職場で22年間、働いてきました。もともと独立する気もなかったし、それこそずっと同じ会社で勤めてもいいと考えていたんです。

 

でも、僕は自分の世界を広げるために、あえて独立という道を選びました。それまでお付き合いのあった多くのみなさんとの関係も、一度そこで途絶えています。僕個人ではなく、会社と会社とのお付き合いもあるから、仕方がないことです。

 

 

その一方で、僕個人とのつながりを守ってくださったかたもいました。会社が変わってもついてきてくださったお客さまや、お取引を続けてくださるみなさんには感謝しかありません。また、独立するにあたり、会社のブランドやそれまでの実績、プライドまで含めて一度全て手放したことで、自分の中に「ゼロからやる」という覚悟が生まれました。

 

 

お世話になった会社を出るからには、必ずそれを超える会社をつくらなくてはいけない。なぜなら、それが僕にできる唯一の恩返しだからです。それができないのなら、会社を出る意味がないのですから。

 

そして、前の会社を超えるためには、同じことをしていてはいけない。これまで自分の中に蓄積された技術だけではなく、前の会社では当たり前だった仕事の進め方、価値観も見つめ直す必要があるのです。

 

独立前の価値観を引きずっていては、前のサロンを超えられない

 

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