個性を磨くための習慣「完コピよりもつまみ食い」のススメ -TOH 石原慎太郎さんの習慣 後編-
「隙間産業」を育てていれば、その価値に気づく人が現れる
もちろん、真似したくないからと言って、客観的に見て素晴らしいと思うものや、お客さまが求めているものは、無視してはいけないと思います。だから、いつも心の中には二人の自分がいて、良いものに影響される自分と、影響されない自分が同時に存在しています。
美容業界の重鎮と言われる人たちは、いろんな遠回りをして今の景色を見ているのだと思います。山の頂まで、一直線に登ってきた人なんていないと思う。だとしたら、僕らにも遠回りは必要です。憧れている人の背中を真っ直ぐ追いかけているだけでは、見られない景色がそこにはあると思いますし、たまによそ見もしなければ引き出しが増えないんじゃないでしょうか。無駄に見えることは、実は無駄じゃないというのは真理です。だから、独立後はスタッフのみんなにもそう伝えています。近道をさせようなんて思わないし、寄り道は大いに結構です。
自分の得意分野を見極めることも大事です。この分野ではこの人に勝てないなと思ったら、そこに関しては素直に聞いて教えて貰えばいい。そのかわり、人がまだ着手していない、自分が得意な分野を磨いていく。僕は自分がやっていることを「隙間産業」と呼んでいたんですが、これを続けていくと「同じサロンなのに石原さんはちょっと毛色が違いますね」という感じで、自分を見つけてくれる人が現れるんですよ。