「紫縛り」で日常を非日常に変え、新しい「視点」と「感性」を養う -SUPRAM トヲルさんの習慣 前編-
王道の老舗美容室であえて浮いていくことの理由
僕が勤めているサロンは歴史があるし、時代の流れに乗りつつ、王道の美容をつらぬいてきています。その中で僕は浮いていると思いますが、それでも独立せずにこのサロンにいるのは、美容業界に影響を与えていきたいと思っているからです。
真正面から美容に向き合って頑張っている人はすでにたくさんいます。もちろん僕も真面目に美容と向き合っているわけですが、みんなと同じである必要はないかなと。自分の立ち位置は、王道の美容に取り組むことではなくて、新しいポジションを築いて、美容の可能性を広げていくことだと考えているんですよ。
僕は「美容にはこんな可能性があるよ」「こんな表現をしてもいいんだよ」ということをどんどん出していきたい。美容業界に対して、賛否両論がたくさん出てくるような作品を仕掛けていきたい。
紫縛りをしているのもその一環だし、王道からはみ出す決意表明みたいなものです。だから中途半端なことはできません。とはいえ、下着も紫なので、トイレに入ったとき「俺、何してんだろう…」と思うこともありますけれどね(笑)。
SUPRAM
店長 / デザイナー
トヲル
1982年、岐阜県生まれ。ベルフォートアカデミーオブビューティ卒業後、株式会社サムソンに入社し、岐阜県の「BLANCO」に勤務。2013年に名古屋の店舗「SUPRAM」へ異動。現在は店長として活躍中。インスタグラムに投稿されるクリエイティブな作品が話題。
Instagram @toworu55
(文/外山武史 撮影/松本寛秀)