コーヒーショップという社交場から生まれたクリエイティブの輪 -unplugged前田伸一さんの習慣 前編-
髪を切るためではなく、コーヒーを飲むためにくるお客さまも…!
よく通っているコーヒーショップは「THE LOCAL」さんです。常連になるとスタッフさんと仲良くなって、そのうちスタッフさんを介してほかの常連さんとつながったりします。「この前も、お店にいましたね」という感じで、自然と会話が生まれることもあるんですよ。
ちなみに、THE LOCALさんとはかなり親しくさせてもらっていて、今はコロナでやっていないんですが、THE LOCALさんのコーヒーをサービスでお客さまに提供していたこともあります。スタッフさんはほぼみんなウチに髪を切りにきてくれています。
コーヒーショップで作品を展示していたアーティストさんと仲良くなって、「ウチのサロンでも展示してみませんか」という話に発展したこともあります。コーヒーやアーティストさんの展示だけを目的にunpluggedにくるお客さまもいるんですよ。
コーヒーショップを起点にお客さまの幅も、サロンの楽しみ方の幅も広がりました。結果的にはビジネス的にもプラスになっていると思います。でも、初めからビジネスライクな関係を持ち込むとうまくいかないと思っていて。
というのも、明らかにビジネス目的で営業をかけてくる人もいますが、それではフラットにつながることはできないと思うんですよね。コーヒーショップが好きな人同士が集まり、自然とつながることで結果としておもしろいことが生まれているのだと思います。
いつか自分のコーヒーショップをプロデュースしたい!
コーヒーショップから、いろいろな人とつながることができたのは、僕が人に対して興味を持っているタイプだったからかもしれません。人って、どうしても見た目で判断しがちじゃないですか。見た目などで「自分とは合わない」と決めつけて引いてしまうのはもったいないと思います。最初の印象で決めつけずに話してみると意外と意気投合できたりするものです。
ちなみに僕は今コーヒーショップが好きすぎて、自分でもお店をやってみたいという気持ちが膨らんでいます。父がジャズ喫茶をやっていたので、その影響もあるかもしれません。
僕は美容師であり、サロンの共同代表の1人ですが、美容一本で突き進むいい意味での「美容バカ」にはなれなかったと自覚しています。興味があること、やってみたいことがたくさんある。
美容だけを深めたいというよりも、コーヒーやアート、カルチャーなどいろいろなものを持ち寄って、美容の新しい側面を見せていきたい。深めるのも大切ですが、幅を広げる方向で、新しい仕掛けができたらいいなと思っています。
- プロフィール
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unplugged
前田伸一(まえだしんいち)
関西美容専門学校卒業後、都内有名サロンで10年間勤務したのち、フリーランスに。サロンワークを軸に、ヘアメイクやフォトグラファーとしても活動。2019年に元同僚2人と『unplugged』を立ち上げる。ファッション、音楽、コーヒーなどへの造詣が深く、unpluggedの空間プロデュースにも深く関わっている。
Instagram:shin.0507
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)
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