「三つ星美容室」をつくるために、ありとあらゆる技術を学ぶ ―Gallica中村飛鳥さんの習慣 後編―
マクドナルドのように強い矢を放つ美容室をつくりたい
Gallicaオリジナルのカットは、さまざまな技術を学ぶことで生まれました。外国人風カットとカラーを打ち出していますが、そこだけに特化しようとは考えていません。参考にしているのはマクドナルドの戦略です。
マクドナルドは誰もが知っているお店ですが、人によって使い方は異なります。子どもならハッピーセットを買うだろうし、高校生はポテトを食べながら友達とおしゃべりするかもしれない。サラリーマンにとっては100円でコーヒーを飲みながら仕事ができる場所として重宝しているかもしれません。マクドナルドのすごいところは、それぞれの商品が矢のようにターゲットに突き刺さっていることです。
Gallicaも強い矢をお客さんに飛ばしていきたいんですよね。そうすることで5年後、10年後もお客さまに支持される美容室になれると思います。そのためには武器がいっぱい必要だから、やっぱり学び続ける必要があるんですよ。
一つの武器で戦っていると、いつかその武器が古くなったとき、一気に弱体化してしまうかもしれません。また、その武器が強すぎるからこそ、例えば「外国人風カラーの店」イメージが固定化してしまうのもリスクだと思います。強い武器以外の魅力をかき消してしまうし、その武器の流行が終わったとたんサロンごと古いものと認識されてしまいます。
僕たちは一緒に働く美容師には誇りを持ってほしいし、そのためにはお客さまに選ばれ続けなくてはなりません。表参道エリアの王道の価格、もしくはさらに上を目指せる環境があるからこそ、美容師の幸福度を高められます。だから僕は今日も学び続けるのです。
- プロフィール
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Gallica
代表/中村 飛鳥(なかむら あすか)
長崎県出身。ハリウッドワールド専門学校卒業。都内有名サロンを2店舗経験後、2015年27歳でGallicaをオープン。お客さまの顔だちや髪質を最大限生かすヘアスタイルに定評があり、業界内外から注目を集める。サロンブランディングや人材教育にも力を入れ、独立して6年で表参道・青山等、都内6店舗。『HOT PEPPER Beauty』”GOLD Prize” 受賞。多くのセミナーの講師としても活躍。
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)