20代前半からの読書習慣が、サロン拡大を加速させた -SOCO 関山 善博さんの習慣 前編-
ピーター・ドラッカー流のマーケティングで成功
マーケティングの基本的なセオリーはセグメントしなさいというもの。そのため、まずはターゲットを決めるという考え方ですね。しかしながら、僕たちはあえてターゲットを明確化していません。
若めの層を狙ってはいますが、自分たちがそこを取りにいくというよりは、「どうしたら選んでもらえるのか」を考えています。具体的には、ホットペッパーやミニモなどのサービスを使っている人たちが何を求めているのか分析するところがスタートです。
自分たちがやりたいことや、ターゲット層へのマーケティングをするのではなく、ユーザーが求めている情報を発信することで、SOCOの認知を拡大します。
わかりやすい取り組みとしては、ホットペッパーのレポートを分析して、一番見られているスタイルをアップするのは基本中の基本。自分たちが見ている世界と、お客さまが見ている世界は、全然違うと思います。だとしたら、お客さまの見ている世界にフォーカスしないと、間違った判断をしてしまうと思うのです。
経営学者のピーター・ドラッカーの言葉を借りれば、企業の目的は『顧客を創造すること』。自分の世界観をつくるのは楽しいけれど、お客さまがいなくてはビジネスになりません。だから僕たちはまず、お客さまが求めているものを分析し、発信することで、ホットペッパーやミニモなどのポータルサイトで優位性を獲得し、集客につなげているのです。
これはあくまで一部分ですが、SOCOが短期間で4店舗まで拡大した背景には、間違いなく読書の習慣があるんですよ。
- プロフィール
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SOCO
代表/関山 善博(せきやまよしひろ)
都内サロン6店舗や面貸し美容師を経て、2015年9月「SOCO」をオープン。以降2017年12月に「AO」、2018年10月「SUN」を出店。さらに2020年2月、札幌に「ACA」出店スピードと、出店の様子を綴ったブログも美容師の間で話題に。現在はスタイリストのみならず、店舗のグラフィックディレクションも手がける。
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)
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