心を動かす言葉を集め、クリエイティブ・マインドの核を育てる -DADA CuBiC 古城隆さんの習慣 後編-
2019年、Japan Hairdressing AwardsにおいてJapan hairdresser of the year グランプリに選ばれたDADA CuBiC 古城隆(こじょう たかし)さん。美容に対してストイックな姿勢は、広く知られているところですが、ここ数年はストイックに突き詰めてきたからこその悩みがあったそうです。今回はその悩みを軽減することになった習慣について伺いました。インタビューは前編・後編の2回、ぜひ前編と合わせてご覧ください!
90年代の奇才たちの言葉がズバズバ刺さる
水泳を始めたころから、これまでと異なるインプットをしようと思い、映画館に足を運ぶようになりました。いろいろな映画を観たなかで、『We Margiela マルジェラと私たち』とアレクサンダー・マックイーンの『マックイーン:モードの反逆児』が特に印象的でした。「クリエイションの本質とはなんだろうか」と、美容業界と照らし合わせてみたときに、この2つの映画から出てきた言葉が自分のなかですごくしっくりきたんです。
たとえば『We Margiela マルジェラと私たち』を観たときは
「万人を喜ばせようとすると行き場を失う」
「売れっ子モデルは誰一人使わなかった」
「曖昧な反応はなく、白か黒だった」
などの言葉が印象的でした。
今も僕のスマートフォンには、心に引っかかった言葉がメモとして残っています。映画ではなくテレビを見ているときなどにも、心に響いた言葉を残しています。そういう言葉のインプットを通じて、自分の精神的な核がより確立し、クリエイションも変化しました。そして、その年にJHAのグランプリの栄誉を授かったんです。水泳や言葉のメモが直接そこに結びついているわけではないかもしれませんが、新しい習慣を始めたことで、自分が変わったことは確かです。
>流行を追うよりも作り手の存在感をいかに出せるかにこだわりたい