よい習慣づくりは、今いる環境を肯定するところから始まる -HEAVENS 小松 敦さんの習慣 後編-
写真集を眺めて自分の感性を確認する
サロンについたら、シザーとカメラの手入れをしながら、サロンのラックに並べた写真集を眺めています。どの写真集も、何回も見たものだから、内容は頭の中に入っていますね。勉強のために無理して見ていたのではなく、自分が好きでコレクションしたものばかりです。これは写真だけではなく、音楽などにも通じると思うんだけれど、自分の好きなものでないとなかなか興味が広がらないですよね。興味が広がれば、好きな作家も増えていく。ちなみに、僕の好きな作家の一人は、街や看板、ポスターなどの無機質なものを撮ることで知られる森山大道さん。HEAVENSのビジュアルポスターをスナップで撮影されて写真集に使われた事もあるんですよ。
あらためて写真をじっくり見ることはあんまりないんだけれど、ラックの前に立って並んでいる写真集を眺めると、自分の好きな世界観を振り返ることができます。きっと、建築家や写真家なども、好きな書籍や作品、資料などに囲まれて仕事をしたいという気持ちがあると思うんですよ。そうすることによって感性が呼び起こされるとか、そういう感覚があるんじゃないでしょうか。
ノートPCに自分の好きなステッカーを貼っている人も同じなんじゃないかな。あれが、自分という人間を表現する一種のブランディングになっているのだと思います。僕が写真集をラックに並べているのもそれと似ているんですよね。ラックに並んだ写真集を眺めることによって、自分がどういう感性の持ち主なのか確認しているのです。