「EGO」がわずか8坪だった時代にウィンドサーフィンから学んだこと -EGO sette 吉田 ケンさんの習慣 前編-
EGOの流儀を貫き、時代という波を乗りこなす
ウィンドサーフィンは、風の力を利用しながら波を乗り越えていきます。これは、サロン経営にもつながっているような気がします。波は自分で操ることができないもの。たとえば、世の中のトレンドや時代がそれにあたると思います。一方で、風はセイルをコントロールすることで、前進する力に変えることができます。波に乗っているだけでは、自分たちを制御できず流されていってしまいます。乗る波を間違えることでEGOというサロンの流儀を壊してはいけません。
「美容師」という言葉には、内容や容器の「容」が使われています。これはつまり、「中身」を綺麗にするという意味が込められているということ。僕はそう解釈しています。だからこそ、EGOの流儀は、美容を通じて髪をきれ
いにするだけではなく、お客さまの器の中身まで美しくしていくこと。僕たちは、美容の技術と、人間性の両方を高いレベルで磨いていかなくてはならないのです。サロンの商品は、美容師自身だと僕は思っています。
ただ髪の毛をきれいにするだけなら、ほかのサロンでもできます。けれども、おもてなしの中で「あなたと話して元気になった」とか「傷ついた気持ちが癒された」という気持ちを抱かせることは、美容師が提供できる唯一無二の価値です。EGOはそういう価値を提供できる美容師を育てています。どんな荒波の時代も、EGOのカルチャーや風習という風の力を操って、僕たちにしかできない美容の道を切り拓いていきたいですね。
- プロフィール
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EGO sette
OWNER/吉田 ケン(よしだ けん)
銀座EGOオーナー。日本各地の美容師を対象に年間約50本のセミナー講師として活動。海外においてはアメリカ/ニューヨーク、韓国/ソウル、中国/北京などでセミナーを展開。東京モード学園(東京)/ヘア・メイク&カット講師、ハリウッド美容専門学校(東京)/海外部門講師、大村美容専門学校(福岡)/モチベーションアップ&接客マナー講師など美容専門学校の講師も努める。趣味はサーフィン・ウインドサーフィン・ジェットスキー・絵画・写真・車・バイク・推理小説。
http://www.ego-hair.jp/
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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