良質な学びは、良質な「問い」から生まれる -KINOSHITA GAIEN EAST STREET 木下 裕章さんの習慣 前編-
本当に知りたいことは、自分から問わないかぎり学べない
ありがたいことに、僕は美容業界の重鎮のみなさまとお会いする機会をたくさんいただいています。近日、マサ大竹先生、柿本榮三先生、庄司礼子先生とお話する機会があるのですが、そのときはとっておきの「問い(質問)」を用意していこうと考えています。
よい学びは、よい問いから始まります。「プロフェッショナル仕事の流儀」や「ガイアの夜明け」のインタビュアーのようなつもりで、プロとして大切にしている持論や習慣などを聞いてみたいと考えています。なぜ問いが大切なのか。本当に知りたいことというのは、自分から聞かなければ出てこないからです。
僕が話を聞きたいのは、長きにわたり「結果」を残してきた人。自分も結果を出し続ける人を目指しているからです。僕と同じように「大人から学びたい」と思う人は、まず学びたいテーマをはっきりさせるといいですね。
僕は巨匠たちから生き方を学んでいますが、たとえばあなたが技術を学びたいと考えているのなら、巨匠たちから話を聞くよりも、身近にいる技術がうまい先輩に聞いたほうがいい。人生に迷っているのなら、その迷いを乗り越えた人に話を聞くといいかもしれない。そんな感じで、学ぶ目的をはっきりさせると見つかりやすくなります。
そして、「学び続けること」が大切です。僕がよくスタッフに言っているのは、「器用な人より器量のある人になれ」ということ。手先が器用なことも大事ですが、それよりも中身のある人間になってほしい。夢を持った美容師さんたちにはぜひ、たくさんの学びを吸収する、好奇心旺盛で器の大きな人になってほしいですね。
- プロフィール
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KINOSHITA GAIEN EAST STREET
代表・五代目/木下 裕章(きのした ひろあき)
東京・四谷を拠点とする老舗ヘアーサロンの五代目。三代目より早々と理美容の垣根を越えたトータルビューティーの形態をつくる。サロンワークではパーマ比率7割を誇るパーマクリエイター。講師として、わかりやすくロジカルな理論に定評があり年間セミナー回数は80回以上。ヘアメイクにおいては、ファッション誌、業界誌(連載含め)を担当している。2005年からアジア人初のアメリカンオールスターズ入りし、2008年からはアメリカで毎年
http://www.kinoshita1894.com/
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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