毎朝身の回りのすべてに感謝し、「いつ死んでもいい」くらいの気持ちで生きる -RUALA 角 薫さんの習慣 後編-
若いうちは1年365日、美容に没頭する時期があってもいい
もちろん毎日、お客さまへの感謝も感じていますし、お客さまを大事にしたいからこそ自分はいつも元気でありたいと思っています。美容師は髪を切るだけじゃなくて、元気を与える仕事だと思っているからです。
私の恩人は武道館のヘアステージで、「髪ではなく心を切りました」と言っていました。私も、心のケアは美容師の責任だと思っています。新しい髪型が好きになれず、落ち込んで、家から出たくなくなる…自分のお客さまにそんな想いを絶対させてはいけないんです。
だからこそ、この仕事には毎回緊張感があるし、楽しい。そして、楽しむためには、自分の心と体のコンディションがよくないといけないと思います。だから休むのも仕事のうちなのです。
ただし、アシスタントや若手のスタイリストなら、1年365日美容に没頭する時期があってもいいと思います。私は美容師になったばかりのころ、サロンワークだけではなく街を歩く人の髪をみて、分析する習慣を持っていました。技術を習得している時期も、自分で目標を設定して、必ず達成するために努力してきたんです。
若いころからの日々の積み重ねがあったから今の自分がいます。また、1日1日を無駄にしないように頑張ってきたから、仕事が終わったあと、ご褒美に飲むお酒がおいしいんです。これを読んでくださっている若手の美容師さんには、将来的に年相応の働き方ができるようになるためにも、今日から悔いのない毎日を過ごしてほしいと思っています。
- プロフィール
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RUALA
代表/角 薫(すみかおる)
国際文化理容美容専門卒業後、新卒第一期生としてACQUAに入社。原宿店の店長を8年務め、女性スタイリストで構成された新業態サロンACQUA deaの代表に。その後、deaを設立し、3年半後6ヶ月のフリーランスを経験。2016年にちはる氏とRUALAを立ち上げる。サロンワークのみならず、海外、全国各地でのセミナーや一般誌、業界誌の撮影、専門学校の講師、女性用のハサミをプロデュースするなど、幅広く活躍している。
http://ruala.jp
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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