自分ノートで現在地を確かめて、新たな一歩を踏み出す -Cocoon VANさんの習慣 前編-
表参道のクリエイティブサロンDab、HEART/ Doubleを経て、Cocoonを立ち上げたVANさん。その煌びやかなキャリアとは裏腹に、長い下積みや、伸び悩みを経験してきた努力の人です。三歩進んで二歩下がるようなペースで、着実に歩みを進めてこられたのは「ある習慣」を続けてきたからなのだとか。今回はそんなVANさんの習慣を教えてもらいました。インタビューは前後編の2回。今回は前編です。
約4年半、出口の見えないトンネルの中でもがく
今でこそ、僕はたくさんのお客さまに恵まれていますが、昔は決して要領のいいタイプではありませんでした。僕がスタイリストデビューをしたのは28歳。僕らの時代にしては時間がかかったほうだと思います。でも、下積みがあったのがよかったのか、デビュー4カ月で月売上100万円に。11カ月で200万円を突破しました。ところが、そこからどん詰まり。4年半くらい足踏み状態が続きました。
足踏みをしている間に店舗が新しくなり、新店舗ではカット料金が改定になり、500円値上げしました。普通に考えれば売上は上がるはずなんだけれど、僕の場合は何も変わらなかった。ということは、実質、お客さまが減っているということですね。単価は500円上がっているわけだから。
もちろん僕もそれなりに努力をしていたつもりでした。服装がダメなんじゃないか、話し方がダメなんじゃないかとか、いろいろ考えて自分を変えようとした。だけど、状況はなんにも変わらなかったんです。自分の弱い部分と向き合うことは、大切だと思います。だけど、僕は苦しいことをしていれば、それが「努力」をしていることになると勘違いしていたフシがあったのかもしれません。「こんなに努力しているのにどうして」と。僕が「自分ノート」を書き始めたのは、そんな時期でした。