現実を飛び出して、妄想の世界で思いっきり遊ぶ -Rougy 上原 健一さんの習慣 後編-
HEARTS/Doubleで要職を担い、JHAではグランプリ、準グランプリを獲得。現在は、コアなファンを抱えるハイセンスサロン『Rougy』の代表を務める上原健一(うえはらけんいち)さん。今回は、たぐいまれな表現力の持ち主である上原さんのクリエイティブセンスの源泉に迫りました。インタビューは前後編の2回。今回は後編です。
ミュージシャンよりも最高な仕事はありますか?
僕はミュージシャンほどいい仕事はないと思っています。自分のことが大好きな何万人ものファンが集まるなかで歌って、ものすごく喜ばれますよね。たとえば、U2は世界中で愛されていて、日本にきて、好きな音楽をやるだけできっと莫大なお金をもらえるわけです。
もちろん、ミュージシャンよりも儲かる仕事はあります。会社の社長とか、映画監督とかがそうかもしれない。でも、会社の社長はやりたくないこともやるだろうし、映画監督は作品が完成するまで大変ですよね。それなら僕は好きな歌を歌って、キャーキャー言われて、酒飲んで、悪さをしたい(笑)。しかも、ミュージシャンは自分の好きなことだけしているのに、勲章やノーベル賞をもらったりしているじゃないですか。これ以上に魅力的な仕事がほかにあったら、ぜひ教えてください。
僕は妄想の中でしかミュージシャンになることはできないけれど、考えているだけでも楽しいし、ハッピーな気分になれる。ミュージシャンに憧れる気持ちが、自分の作品に表れることもあります。それに、この「妄想する力」は、美容師にとって無視できないものなんです。