どうしようもないバカになって自分の限界をぶち破る -SIDE BURN 太市さんの習慣 後編-
美容師の枠にとどまることなく、詩人、写真家、ミュージシャンなど七色の輝きを放つマルチアーティスト、SIDE BURNの太市さん。JHAグランプリ、ロンドン審査員賞ダブル受賞という偉業を成し遂げたのち、あえてコンテストから距離を置き、独自の美容を追求しています。我が道を行く生きざまから、異端児と呼ばれることもある太市さんに、今夢中になっていることを語ってもらいました。インタビューは前後編の2回。今回は後編です。
SIDE BURN 10周年記念の余興で音楽に目覚める
昔からローリング・ストーンズなどのロックが好きで、音楽の世界に憧れがありました。でも、憧れるからこそ、簡単に手を出せない難しい領域だと感じていたんです。ところが44歳で突如歌とギターに目覚めてしまった。きっかけはSIDE BURNの10周年記念パーティー。スタッフから「太市さん、余興でなんかやってください」と頼まれて嫌々バンドを組んだんです。ところが、ステージの上ではじけたらすっごい気持ちよかった。完全に中毒状態になりました。
これまで僕は歌もギターも習ったことがないし、いまだにギターのコードも何もわからないんだけど、曲はつくることができた。しかもCDを出したら、プロのミュージシャンからも評判がよかったんです。「理想のバカ」「戦争は終わらない」など、どんどん歌が生まれました。完全に花がひらいちゃいましたね(笑)。
歌の内容は次世代に向けたメッセージ性が強いものが多いです。音楽ってバカになって、ダメなところをさらけ出してナンボの世界じゃないですか。自分を良く見せようとするのはカッコ悪い。僕のメッセージだって、普通に話したら説教くさくなるかもしれないけど、音楽をやることでバカになって伝えたほうが届くみたいです。