世に残るのは、鬼気迫る想いと熱量を込めたモノだけ -資生堂 原田忠さんの習慣 前編-

優れたクリエイションの裏にあるもの

 

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小説や漫画のキャラクターの作者の話を聞くと、そのキャラクターがどんな家庭環境で生まれて、どんな食べ物が好きで、どんな学校に通っているのかなど、非常に細かいところまで設定されていることがわかります。そこまでしないとキャラクターって描けないものなんです。これは僕たちも同じで、一つの女性像を表現するときには、その女性を相当深掘りして、世界観をかためていかないと、いいものは作れないと思います。

 

時が経っても残る素晴らしいものには、必ず熱量と想いが込められています。なんとなくつくったものは、やはりなんとなくにしかならない。だから、自分がクリエイションするときも、熱量やこだわりを大切にしています。

 

そういう意味で、熱量のあるクリエイションに触れる状態をつくることは大事です。僕の場合は画集を見ることがその一つ。映画『エイリアン』のデザインで有名なH・Rギーガー氏の画集はとくに好きです。グロテスクで、エロティシズムも感じさせるけれど美しいという、非日常な表現が素晴らしい。息を呑むほどの繊細さと、立体感や陰影がある作品に惹かれます。

 

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一般受けはしないかもしれないけれど、モノ作りに携わる人には響くと思います。表現のために一切時間を惜しまないクリエイション中心の時間軸で、鬼気迫る熱意と熱量が込められてつくられた作品は、いつまでも残り続けるものなんです。

 

>ディテールとは髪1本の表現

 

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