生活を改善し、子供の頃の崇高さを取りもどす -TWIGGY 松浦美穂さんの習慣 前編-
美の連鎖をテーマに、パーソナルなトータルビューティーを提供する「TWIGGY」。その代表であり、感度の高い有名モデルやミュージシャン,女優がこぞって支持するスタイリストとしても有名なのが松浦美穂さんです。女性美容師の理想の生き方の一つを体現する彼女が大切にしている考え方と習慣を、若手の美容師さん向けに語っていただきました。インタビューは前後編の2回。今回は前編です。
ロンドンで東洋医学を知り、荒れた生活に終止符を打つ
TWIGGYを始める前の20代私は東京で美容室の店長をやりつつヘアメイクの仕事もやっていました。毎日2箱のタバコを吸い、夜はお酒を飲んで朝まで踊って。とてもせっかちで、前に進もうっていう気持ちが強くて、いつもイライラしていました。
そして27歳で渡英、オーガニックスキンケアブランドのニールズヤードで働きながら、東洋医学を学んでいるイタリア人と友達になったんです。そこにはカフェスペースもあって、毎日のように話をするうちに、ロンドンにいながら日本の食文化や生活の貴重さに気づかされました。たとえば、日本にいたときは何気なく食べていた朝ごはんも、陰と陽の食べ物がバランスよく計算されているという具合に。
頭痛だからバファリンを飲む、腹痛だから正露丸を飲む、みたいな対処療法ではなく、体の根本から改善する東洋医学の考え方に共感し、自分の体の中に入れるものを意識しはじめました。荒んだ生活に終止符を打ち、それまでの生活をあらためた私は、体質改善中に妊娠し、無事出産。産後も、ハーブティーやフラワーレメディ※1を生活に取り入れて、西洋の薬と距離を置く暮らしを続けました。
「体質改善が大切」っていう話はよく聞きますが、私はそれよりももっと根源的な「生活改善」が大切だと思います。わかりやすい話でいうと、「なんか今日はダルいな」と感じているとき、体調不良の原因は疲れかもしれない。「今日はゆっくり寝よう」と決めて、体を休めたほうが根本的な解決につながりますよね。
※1植物由来の成分を体に取り入れて、気分を改善する療法。