感動をカメラで切り取り、価値観のアルバムに収める -VeLO 鳥羽直泰さんの習慣 前編-
気ままにシャッターを押して、創作的ストレスを発散
旅に出るときは「写真を撮るぞ」っていうモードになります。やっぱり日常よりも、非日常のほうが、シャッターを押したくなる瞬間が訪れやすいですから。
プライベートのときは、カメラで何を撮るとか、あまり考えていません。というか、何も考えないようにしています。心のあるがまま、勝手気ままにカメラを構える。人を撮ることもあるし、街並みを撮ることもあるし、自然を撮ることもある。とにかく、何かを感じたら撮る。
美容師は作り手ですが、全て意図や目的があってやっていること。自分が感じるがままだけでやっているってわけじゃありません。だから創作的ストレスみたいなものが溜まってくることもあります。一方で、有名な建築家の作品とか、美しい風景、自然が作りあげたものなど、すでに存在するものは、僕が何か手を加えられるものではない。僕はその様子をカメラで切り取るだけです。
僕にとって撮影というのは、上質なインプットなんです。「本当に美しい色だな」「このフォルム、好きだな」など、感じたままに撮った色やカタチがふっと仕事中に出てくることがある。写真として残すだけじゃなくて、ここぞというときに引き出すことができる「価値観という名のアルバム」の中に感動をおさめているんですよ。
【鳥羽さんが撮影した写真inモロッコ】
- プロフィール
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VeLO/vetica
代表 鳥羽 直泰 (とば なおやす)
長野県出身。都内2店舗を経て渡英し、Vidal Sassoon Londonに入学。帰国後DADA CuBiCに参加。2003年原宿に「VeLO」、2009年「vetica」をオープン。2015年4月には拡張移転リニューアルを果たす。現在もサロンワークを中心に、撮影やセミナー講師など、幅広く精力的に活動している。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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