いい髪型を作りたいなら、まずは耳から鍛えるといい -Double 山下浩二さんの習慣 後編-

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時代を超えて残り続けるのは本物だけ

 

70年代から活躍しているスティングとかポール・ウェラーは歳をとっても輝いていますよね。トーキングヘッズのデビット・バーンなんかもそう。その裏でどれほどのミュージシャンが消えていったか。今も残っているのは、やっぱり本物の人たちです。

 

若い美容師さんたちが、意識的にいい音楽を聴くことは、とても意味があることだと思います。ただ、いい音楽を探すのがちょっと大変かもしれないけれど、「オリジナル」を求めて探していけば見つかることもあります。好きなミュージシャンがいるとしたら、その人たちに影響を与えたミュージシャンの曲を聴いてみるといいかもしれないですね。

 

そうして、ルーツをさかのぼっていくと、JAZZだとか、ブルースだとかにたどり着いたりします。ブルースにもいろいろあるし、慣れるまではよさが分からないかもしれないけど、大御所は数人しかいないので、その人たちの曲を聴けば、大体分かってくるものです。

 

最近の業界誌を見てると、若手の美容師さんの作品で、グッとくるものは少ないですね。なぜ物足りないかといったら、そこにブルースがないからじゃないかな。念のために言うと、ブルースを聞けって言っているわけではないですよ。あくまでこれはものの例えです。

 

売れたり、目立ったりすることばかり考えていて、本物の要素が入っていない髪型が世の中に多く溢れているということ。つまり、突き抜けられない美容師さんには、ブルース(本物の要素)が足りないんですよ。

 

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プロフィール
Double
代表 山下 浩二さん

鹿児島県出身。1994年、原宿に『HEARTS』をオープン。2001年からは表参道に『Double』を構え『HEARTS』『Double』の2ブランドで美容活動を展開。独自のデザイン・カットテクニックで「本物」のスタイルを表現。業界誌はもちろん、美容師からの信頼も厚くセミナーやヘアショーで活躍。自身の著書『山下浩二のたねあかし』をバイブルとしている美容師もいる。

 

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

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