アイガーの頂上には、金を出しても立つことはできない -YOKe:E 江原堅志の習慣 後編-  

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お金を出せば手に入るものには、あまり興味がない

 

美容でも釣りでも登山でもなんでもそうなんですが、僕はスキルをあげないと絶対に手に入らないものが好きなんです。たとえば、アイガーやマッターホルンの切り立った頂上は、お金を払っても立つことができません。ヘリコプターなら行けると思うかもしれないけれど、着陸できるところがありませんから。

 

お金を払えば見れるものって、僕はそんなに感動しないんですよ。ヒラマサやヒラスズキなんて、わざわざ釣らなくても築地に行って買えばいいじゃんって言う人もなかにはいるでしょうけど、僕は生きているヒラマサを自分の手で掴むことにしか興味がないんです。生き方的には、合理的ではないと思います。でも、簡単には手に入らないものしか、僕は惹かれないんですよね。まあ正直、自己顕示欲もあります。「ここまできたらすぐにはマネできないでしょ」みたいなね(笑)。

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こんな風に僕は釣りとか、登山とかいろんなことやっているから、美容一筋の人からよく見られないこともあります。でも僕からしたらやっていることは全部同じなんです。訓練をして技術を研ぎ澄ませて、無駄を省いた洗練された装備で、難しいことにチャレンジしていくっていうのは共通ですから。

 

「江原さんみたいにいろんなことをする時間がない」っていう人もいるでしょうけど、人生長いんだから、ずっと時間ないわけじゃありませんよね。結局はやるか、やらないか、それだけのことだと思いますよ。

 

 

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プロフィール
YOKe:E
上級顧問/クリエイティブ・ディレクター 江原 堅志(えはら けんじ)

東京都八王子市出身。住田美容専門学校を卒業後、都内老舗有名店を経てAKsに入社。2011年より同店の代表を務め、2015年にYOKe:Eに移籍。サロンワーク、セミナー講師、一般誌、業界誌等の撮影など幅広く活躍している。クライミングではアルプスの名峰を制覇。釣りではメーカーサポートが付くなどプロ級の腕前を持つ。

 

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

 

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