アイガーの頂上には、金を出しても立つことはできない -YOKe:E 江原堅志の習慣 後編-
死ぬほど忙しいときも、一つ一つの判断を妥協しない
美容師は失敗しても死なないですけど、ウソが通用しないのは登山と同じだと思います。例えば、あっちもこっちもお客さまが待っていて、死ぬほど忙しいときでも、一つ一つ正しい判断をしていかないと、失客しますよね。忙しいときにデザインの質が下がるとか、カラーがうまく染まらないとか、そんなのは通用しません。このくらいでいいんじゃない、なんて思ったらお終いです。
世の中には上手な美容師さんは山ほどいます。僕はカット9,000円、カラー8,000円でやらせてもらっていますが、僕のカラーと4,000円のカラーがどっちも似たような仕上がりだったら、後者を選びますよね。デザインもカラーも「まあまあ」のレベルだったら、わざわざ僕のところに来てくださらないでしょう。家から近いところにお店があって、上手な美容師さんもいて、時間もお金もかからないんだったら、そっちに行きますよ。
そうならないためには、やっぱりギリギリまで攻めていかないといけない。完ぺきな仕上がりで、お客さまに感動していただかないと、「江原さんじゃないと任せられない」っていう話にはならないですから。登山と同じように、常にスキルを磨き、感性を研ぎ澄ませて、お客さまの期待を越えていかないといけないと思っています。