デザインが上手くなりたいなら写真を撮りなさい -Of HAIR代表 古里オサムさんの習慣 後編ー
「美容師の百科事典」と言われる究極のバイブル『伝 -DEN- ZONE CONSCIOUS』の著者であり、「お客さまの未知なるキレイを引き出す」というコンセプトで展開するヘアサロン「Of HAIR」の代表を務める古里オサムさん。今回はそんな美容業界のレジェンドの習慣に迫りました。
映画、歌、国民感情…時代がガラッと変わる転機
僕は人間ウォッチングやテレビCMなど、いろんなものを通じて時代をとらえてきました。日々の変化は小さいですが、ときおり急激に変わる瞬間があります。例えば、ヒットした映画とか歌の影響っていうのは大きいですよね。それとそのときの国民感情も、流行を左右します。
今から14年ほど前、パリコレなどでもオリエンタルなものがハイセンスであると讃えられていました。空間の中に中国の壺が置いてあったりすると素敵だったわけですね。でも、日中関係が悪化してから、中国の物があると居心地がよくないという人が増えました。そういう政治的な問題が、美容室にもインパクトを与えるんです。
それと、「3つ目のショートケーキはいらない」っていう方程式を知っておくと、時代をより俯瞰して見られるようになるかもしれない。ケーキが大好きでいつかワンホール食べたいっていう子も、2つ目までは美味しく食べられるかもしれないけど、3つ目はいらないっていうんですよ。飽きちゃうから。やっぱり「もっと食べたいな」と思うくらいで止めておくほうが、夢があるわけで。
ほかにも、怖い人がベンツに乗りだしたら売れにくくなるとか、落ち目の俳優さんが必ず出演する番組があるとか、いろんなヒントがあります。そういうものの見方を身に付けておくと、時代をとらえやすくなるかもしれないですね。