時代の先端と同化できない美容師は売れないですよ -Of HAIR代表 古里オサムさんの習慣 前編-
お客さまに流行を教えてもらっているようじゃダメ
昔の写真を見たときに、何を見て時代を感じるかといったら、やっぱり「髪型」や「メイクアップ」だと思います。それだけ美容師と時代は密接に絡んでいるということです。
僕はパリコレによく行くんですが、終わってしばらくすると、日本でもそこで見たものと同じようなものが流行りだします。最近では、フィット&フレアが再評価されて、AKB48などのアイドルがそういうスタイルをするようになって、若い女性に間で広がっていきました。それが3年後には、田舎の親戚のおばさんまで着出すようになるんです。そうなったら、流行はお終いですよね。
時代の先端に同化して、「これからの流行はこれです」と提案し、お客さまの新しい“綺麗”を引き出せる人は売上が上がります。反対に時代に同化できない美容師さんは売れないですよ。お客さまに「こういう髪型にしてください」って言われて、流行に気づくようじゃ手遅れです。流行のヘアを自分で作れる人と、流行してからお客さまに教えてもらっている人とじゃ、ものすごく大きな差があります。
例えばね、僕は今、日本人の女性の髪のバランスが悪いと思っているんです。近ごろは「エフォートレス」を意識している女性が多いですね。「エフォートレス」って頑張った風に見せないってことなんだけど、「作り込み過ぎない」というのとは意味が違うの。
矛盾するようだけど、作り込まれていない感じを出すためには、より作り込まなきゃいけない。「みんなエフォートレスを誤解して、ちょっと違う方向に行っちゃったなぁ。直していかないといけないな」と、僕は通勤電車の中で思っています。
後編へ続く
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- プロフィール
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Of HAIR
代表/古里 オサム (ふるさと おさむ)
オブヘアー代表取締役。鹿児島県出身。一般誌、業界誌の撮影、ヘアーショー、セミナーなど多岐に渡って活躍中。ヘアデザインにも、製品にも妥協を許さず、つねに『本物』にこだわり続けている。自然派志向オリジナルヘアケア剤シリーズのブランド『オブ・コスメティックス』を展開し、コスメティックブランドの代表としても手腕を発揮している。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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