いい習慣は美容師の大敵「ま、いっか病」を予防する -apish代表 坂巻哲也さんの習慣 後編-
髪と地肌を世界一大切にする集団として、青山・銀座エリアで新・美容を展開している「apish」。スタッフ同士の関係が密接なサロンとしても知られています。今回は、そんな「apish」の代表をつとめる坂巻哲也さんに、サロンの絆を強め、スタッフの成長をうながす素敵な習慣を紹介していただきました。
トイレ掃除を続けると「気づける人」になる
イイ話を聞くと、心が洗われた気持ちなって、「明日から、いや今日から頑張ろう!」と思います。でも、頭の中で考えているだけでは何も変わりません。少しずつでもいいから、行動することが大事。例えば僕は、感銘を受けた本に習い、みんなが嫌がることを率先してやろうと考えました。それではじめたのが便座の裏を掃除すること。こびりついた汚れや水垢をとっていくとき、自分の心までピカピカに磨かれていく気がするんですよ。
このトイレ掃除の話は、今まで誰にも言ってきませんでした。なぜなら、みんなが見ていないところでやることに意味があるからです。みんなの手本になりたいからとか、誰かに褒められたいとか、そういう下心があってやっているわけではありません。自分の心と向きあうためにやっているんです。
トイレ掃除を続けていくと、やるたびに謙虚な気持ちに戻れるし、始めるまでは気がつかなかった細部の汚れに気づけるようになります。その影響なのか、以前と比べて、スタッフの顔色の変化を察することができたり、スタッフのちょっと心配な言動に気づけたりするようになってきましたね。もちろん、全部トイレ掃除のおかげとはいいませんが、トイレがキレイになるだけじゃないのは確かです。