どちらかが死ぬまで“一生”担当させていただきます -ACQUA 綾小路竹千代さんの習慣 Vol.2-
-髪ではなく、心を切りましたー 1997年、日本武道館で行われたヘアショーのラストに、1万8000人の聴衆に向け、名言を残した綾小路竹千代(あやのこうじ たけちよ)さん。その“美容道”の一部を、日本の全美容師に向けて話してくれました。全3回でお届けします。
「今日担当します」ではなく、「今日から一生担当します」
ACQUAのヘアショーで日本武道館のステージに立ちました。それがテレビでも取り上げられ、カリスマブームが起こって美容師が注目されるようになりました。ところが、一部の美容師ばかりが取り上げられて、お客さまがないがしろにされてしまったから、ブームで終わってしまったのだと思います。
僕もテレビに出るようになってから、6カ月先まで予約が入れられないような状況になりました。昔から担当していたお客さまからクレームの電話もバンバン入っていましたね。
1日に45、6人切っていた時期があり、予約表をみて「あと10人か…」と思ったことも。そのとき、疑問に感じました。「本当にこれでいいのか?美容師の仕事っていうのは、お客さまの心に寄り添い、生活の役に立つことなんじゃないの?」と。原点回帰の瞬間です。
それからは、「今日から担当します綾小路です」ではなく「今日から一生担当させていただきます」という気持ちで取り組むようになりました。
なぜなら僕は、お客さまにとって一番の美容師になりたかったから。日本一の美容師を決めるのは、テレビでも雑誌でもなくて、お客さまなんです。