大事なことはすべて、お客さまに教えていただいた -ACQUA 綾小路竹千代さんの習慣 Vol.1-
髪型というのは作品ではなく、民芸なんです
売上があがるようになっても、名前が売れるようになっても、僕は「お客さまの役に立ちたい」ということをずっと念頭において働いてきました。
僕が思ういい髪型とは、まず“お客さまの髪質を生かすこと”です。お客さまの言いなりにパーマをかけるのは安易すぎます。
次に、“手入れが簡単なこと”。サロンでしか作れない髪型に意味はありません。お家で再現できることが大前提です。
続いて“髪型のもちがいいこと”。こまめにカットしないとダメな髪型は完成度が高いとは言えません。
“髪が痛まないこと”も大事。いい髪型は質から始まります。
そして、“周りの人に褒められること”。人に褒められる髪型は、人生を変える力を持っています。
僕が作る髪型は「作品」ではなく、暮らしをひきたてる「民芸」に近いものです。ヘアショーのステージの上でも、基本的にはサロンと同じことしかしません。京都でバッサリ髪を切られて泣いているモデルさんを見たときから、気持ちは変わっていないんですよ。
どちらかが死ぬまで“一生”担当させていただきます -ACQUA 綾小路竹千代さんの習慣 Vol.2-
下っ端のころの気持ちを、一生忘れない -ACQUA 綾小路竹千代さんの習慣Vol.3-
- プロフィール
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ACQUA会長
綾小路竹千代(あやのこうじ たけちよ)
1962年京都西陣生まれ。16歳から美容師を始め23歳で上京。1994年に野沢道生氏、青山正幸氏と「ACQUA」を設立。1997年に日本武道館でのライブショーを仕掛けるなど、美容業界の地位向上に尽力。2012年には、京都の町家を改装し、美容室、レストラン、家具、雑貨の複合店舗「□△○」(as itis)を開業した。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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