999回やっても、途中で諦めたらやらないのと一緒

なんとか原宿の「ZUSSO」で働き始めてからは、寝ている時間以外ほぼ全て練習していました。有名になるために、京都を出てきているわけですから、他の人とは覚悟が違います。

練習を999回やって、あと1回やったらできるようになるかもしれないのに、途中で諦めてしまったとしたら、それはやらないのと一緒。そして、できるようになったことを何度も繰り返して、体に沁み込ませていく。美容師は職人だから、上達したいと思ったら、練習するしかありません。

ウィッグを買っていたらお金がいくらあっても足りないので、クラブにいる女の子に「タダでいいからサロンにきてよ」とバンバン声をかけていました。そうして切りまくっていると気づくんです。お客さまはみんな髪質が違うのだと。ウィッグを使っていたら気づけないことです。こんな風に僕は、大事なことをお客さまから直接学んできました。

もちろん身近にいる先輩の仕事ぶりも目を凝らしてみていましたよ。パーマが上手い先輩、カットが上手い先輩とか、それぞれみんな特技があるので、いいところを参考にします。そのままコピーするのではなく、自分なりに噛み砕いて消化する。そうすれば、コピーではなくオリジナルになるんです。

＞綾小路さんが考える“いい髪形”とは？