【実話】現役美容師の「本当にあった怖い話2021」。洒落にならない怪談エピソード9選
何かを訴え続ける「傾いた絵」（22歳／男性）
私のお店は1階がテナント、2階から上は住宅になっているマンションタイプで、お店の入口正面に女性の絵が飾られています。この絵は、何度直しても右に傾くという、奇妙な絵なんです。ある日、霊感の強いお客さまが「あの絵が何か伝えてきてる…」とこっそり教えてくれました。詳しく聞いてみると、絵が右に傾くことで、描かれている女性の目線が斜め上を見つめている形になるのですが、その目線の先の何かを訴えているそう。怖くなった私は、他のスタッフにこの話を伝えたのですが、みんな笑ってしまい気にしてもらえませんでした。
しかし、数日経ったある日、お客さまとして来店した地主さんから聞いた話に私はゾッとしました。「このマンションの2階で昔亡くなった人がいるんだよね」と教えてくれたんです。
調べてみると、絵が見つめる方向にある部屋で、昔に亡くなった方がいたそう。亡くなってからは借りる人もおらず、ずっと空き部屋になっているそうです。今のところ何か不思議なことが起きたりはしていませんが、絵を通して上の部屋から亡くなった方が何か訴えてきているのかと思うと、とても怖いです。
毎月決まった日時に掛かってくる無言電話の正体（25歳／女性）
私の働いているお店では毎月1日の朝10時に無言電話がかかってくるんです。最初はいたずらかと思っていたのですが、あまりにも続くので「何か気味悪いよね」とみんな不安に感じはじめていました。電話に出たスタッフが「いたずらですか！？」と問いただしたこともあるのですが、その無言電話が途切れることはありませんでした。
無言電話が半年以上続いたある日、私は、ふと毎月1日の朝10時に決まって予約を取るお婆さまがいたことを思い出しました。しばらく来店されておらず、失客したのかとも思いましたが、とても親しみのある方だったのでDMを送ってみることに。するとご家族から連絡があり、そのお婆さまが既に亡くなっていることを知らされました。また、美容室に行くことをとても楽しみにしていて、最期も「美容室に行きたい」と言っていたと教えてくれました。
それまでは無言電話が怖くて毎月1日がくるのが嫌でしたが、もしあの常連のお婆さまかなと思うと何だか涙が出てきます。
