5つの映画が教えてくれる美容師・理容師という職業の魅力
古今東西の映画において、多くの美容師・理容師が登場してきました。それらの作品の中で彼らはどんなふうに描かれてきたのでしょうか? 今回は5本の名作をピックアップ。映画というフィルターを通してみえてくる美容師・理容師という職業の魅力を探ります。
※作品情報は掲載日時点の情報になります。
美容師は女性の冒険の手助けをする職業なんだと認識させられた
「ローマの休日」
(1953年アメリカ作品/ウィリアム・ワイラー監督/オードリー・ヘプバーン、グレゴリー・ペック)
ヨーロッパ各国を歴訪中のアン王女(オードリー・ヘプバーン)がご公務から逃れてローマの街へ。途中立ち寄ったトレビの泉脇の美容室でロングヘアのカットを思い立つ。担当の美容師マリオは「もっと短く!」と真剣に懇願する王女に、最初は戸惑いつつも、やがて、相手の本気度を感じ取って深くハサミを入れる。するとどうだろう!? 王女の端正な顔、シャープな顎のラインはロングよりむしろショートヘア向き。俄然、美容師魂を刺激されたマリオは、短くした前髪に櫛を入れてスタイリッシュにアレンジし、変身した王女にちゃっかりデートを申し込む始末だ。顧客の冒険の手助けをすることを喜びとするマリオは、ある意味、美容師の鏡かも知れない。
(DVDは1429円+税/販売・発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント)
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美容室はカットするだけの場所ではない。女性たちのオアシスでもある
「マグノリアの花たち」
(1989年アメリカ作品/ハーバート・ロス監督/ドリー・パートン、ジュリア・ロバーツ)
美容室は女性の社交場。日がな一日、常連たちが髪にパーマをあてながら、それぞれ身の上話に花を咲かせるのにこれほど適した場所はない。カールしたブロンドヘアが売りの女主人、トルービィ(ドリー・パートン)が切り盛りするアメリカ南部、ルイジアナの田舎町にある美容室には、結婚式間近のシェルビー(ジュリア・ロバーツ)と母親のマリン(サリー・フィールド)、町長の未亡人、クレリーなどが頻繁に出入りしている。そこでは、恋愛や結婚、そして、人の生死も話題に上るけれど、それが許されるのは女の園である美容室ならでは。女性たちを寛がせるトルービィの人柄に負うところも大きいだろう。美容師には人間的な魅力も、当然必要なのだ。
(Blu-rayは2381円+税/発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
(C)1989 TRISTAR PICTURES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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