SCREEN代表／神谷 翼（かみたに つばさ）さんの今年を振り返って自分に贈りたい賞

─その賞を選んだ理由を教えてください。

このコロナ禍の2年間を通して、SCREENがSCREENらしく進んでいくためのお店創りのすべてが「クリエイティブ」につながっていると改めて実感しました。

コロナ禍が始まった2020年から2021年にかけて、銀座と神戸に2店舗、新店舗をオープンしました。このSCREENの新体制を確立するために、クリエイティブの仕事をセーブしようと決意。美容師を志したころから、ヘアショーや業界誌に作品が掲載されることを夢見て努力してきたので、僕にとってはものすごく勇気のいる決断でした。ただ、SCREENの将来を長い目で見据えたとき、新店舗を展開し、そのサロンをしっかり確立させることが必要不可欠だと覚悟を決め、この2年間は審査員の仕事以外は毎日サロンワークに打ち込んだんです。毎週、銀座と神戸を行ききし、僕のみですが休みをなくしてサロンに立ち続けました。その日々の中で、「クリエイティブとは、サロンワークに根源がある」と再確認しました。それは、応援してくれるお客さまの姿、全スタッフの頑張りやチームワークを毎日見ることができたから気づけたこと。自分がクリエイティブ活動に打ち込めていたのは、こうしてたくさんの人に支えられていたおかげだったんだなと「感謝」の気持ちを強く感じました。

また、この2年間でオープンした2店舗は、僕とKAORIが店舗デザインを担当したのですが、ものすごく難しくて、駆け引きと決断の連続でした。でも、苦しいながらも自分たちでやりとげられたのは、撮影やショーで「駆け引きの感覚」を養ってきたおかげ。クリエイティブ活動の機会をたくさんくださった雑誌やメーカーさん、ディーラーさんに対しても「感謝」を感じました。

クリエイティブ活動とは、撮影やヘアショーだけではなく、日々のサロンワークや、その中でのお客さまやスタッフとの関わり、出店準備や店舗デザインなど、すべてに繋がっていると強く実感しました。これがSCREENにとってのクリエイティブの軸になればいいなと願っています。

2020年5月、東京銀座にオープンしたSCREEN GINZA MAISON.

─2021年はどのような年でしたか？

2021年は、前年の銀座出店を応援してくださった神戸のお客さまのために、新たな店舗を神戸の地に作り、新鮮な空間を提供することで今までの感謝の気持ちを伝えようと心に決めて活動した1年でした。また、コロナ禍によって、どんなときも自分たちの根元を大切にすることの重要性を再認識できた年でもありました。ただ自分の予定がハードすぎたり、いろんな案件を抱えすぎたりしたことで、周りに迷惑をかけてしまった部分もありました。そういった点を反省して、自分自身を見つめ直せた年でもあったかなと思います。

2021年10月、神戸の新たな空間にニューオープンしたSCREEN

─2022年への抱負や意気込みを教えてください。

コロナが収束すれば、来年からは大きなヘアショーの案件が入ってきます。ショーから離れたこの2年間で得た、新たな目線やアイデアでもって創作にぶつかっていきたいと思います。また、僕はクリエイティブ活動が好きなイメージを持たれることが多いのですが、1番好きな仕事はSCREENの「マルチプロデュース」。今は僕個人として結果を出すことよりも、経営、教育、デザインなど、さまざまな視点でSCREENの動きを強化したい。スタッフが活躍できるように、SCREENの未来の幅を広げていく活動に尽力していきたいと思っています。

SCREEN

代表／神谷 翼（かみたに つばさ）

PEEK-A-BOOを経て2014年SCREENをオープン。2015年にSISTER.BY SCREENをオープン。2016年SCREENを拡張オープン。2020年5月、東京・銀座にSCREEN GINZA MAISON.をオープン。2021年10月SCREENを拡張移転オープン。

2020年 女性モード社から著書　THE CUT DESIGN VARIATION　出版

2018年 JHA 大賞部門グランプリ

2019年 JHA 大賞部門準グランプリ

2010年 JHA RISING STAR 部門最優秀賞

サロンワークを中心に国内海外でのヘアショー、撮影、審査員など多岐にわたり活動。

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