美容業界きっての“人見知り”双子美容師が語る、20年目での気づきや目標
気づいたときから人は変われると思う
-サロンは違いますが、お互いの仕事ぶりは気になるものですか? 感想を言い合ったり、アドバイスを送ったりすることはあるのでしょうか?
愛郎さん「二人で仕事の話はほとんどしないですね。喜郎がヘアを担当した動画や写真が、LINEで送られてくることはありますけど」
最近喜郎さんが手がけたタカラトミーの動画
喜郎さん「愛郎はね、撮影とか興味ないくせに、アラーキーさんと満島ひかりさんのコラボでGINZAの表紙でヘアを担当したりしてるんですよ」
愛郎さん「満島さんがヘアをあまりつくり込んでほしくなくて、俺だとそれをわかってくれるだろうっていうので呼ばれたのかなと。あとは、俺がアラーキーさんのことが好きっていうことも知っていて、満島さんが指名してくれたんだと思います。今年は、もっと外の仕事もしてみたいんですよね」
喜郎さん「この人、撮影とか興味ないから、ダメだよ」
-(笑)
愛郎さん「いや、これから頑張ろうと思って。実は今年、子どもがうまれて、子どもが20歳くらいになったときに、父親がどんな仕事をしていたのかを見てもらいたい気持ちになってきたんだよね」
喜郎さん「人間って、気づいたときから変われるもんだからね」
-喜郎さんもそういう“気づき”のときがあったんですか?
喜郎さん「正直にいうと、当時ZACCが提案するややコンサバなヘアスタイルが苦手で、どちらかというとBEAUTRIUMがつくるナチュラルな感じのヘアスタイルの方が好みだったんですよね。雑誌の撮影もさせてもらっていたけど、全然、やりたいと思っていなくて。撮影では、編集さんやライターさんにはペコペコしなくちゃいけないと思っていて、なんでこんなことやらなきゃいけないんだろうって。撮影中、アシスタントなのにライターさんと一緒にタバコ吸ったり、カメラマンさんに自分の写真撮ってもらったり、今だったら考えられないんだけど、そのときは本当にやりたい放題でした。
どこか他人事だったんでしょうね。でも、あるとき、サロンではなく自分に指名が来て、そこから自発的に撮影をやれるようになり、撮影が楽しくなりました。そうしたら、好きなテイストの雑誌からの指名がどんどん増えていったんです。ZACCという枠の中ではあるけれど、その中で自分のやりたいことができるようになってから、僕も変わっていったと思います」
インタビューの前にお願いした、直筆事前アンケート。回答そのものは違えど、雰囲気がなんとなく似ているような…?