【sand教育論】新進系カットサロンでスタープレイヤー続々輩出。SNS集客で成功する一方で、美容師の本質を追求する教育を重視。
SNSは大事。でもそれ以上にsandが大切にしていることは?
-sandはSNS戦略に強いイメージがあります。社内での指導が徹底されているのでしょうか?
sandの中にはSNSチームがあり、インスタグラム発信やセルフブランディングを研究し、その情報を社内で共有しています。SNSチームの中には、新卒でsandに入社する前から1日3投稿を継続し続けたスタッフもいるんです。そういったSNSネイティブ世代が中心になって、効果的な投稿画面の作成、リール動画の作り方などシェアするほか、美容師とSNSの付き合い方を考え、主導しています。
美容師という仕事は、お客さまがいて成り立つ仕事です。オープン当初のsandは、お客さまがいない期間がありました。そしてSNSを始めて、ようやく周知され、お客さまに恵まれました。そんな経験がある分、集客に向けたSNS戦略も理解していますし、その必要性はよく分かっています。
でも根底では、集客って決して簡単にはいかないことも知っています。一人のお客さまが来てくれることの有り難さも、身に染みています。SNSでバズって売れっ子になったとしても、お客さまに対して感謝の気持ちを持ち続けるようにと常に言い聞かせています。
-離職率も低いと聞きましたが、どんな工夫があるんですか?
まずは美容師として本物の技術を持っていること。スタイリストが仕事の本質を後輩たちに見せていくこと。それだけで意識は変わると思うんですよ。
ただ僕も年々、新卒で入ってくるスタッフとの距離が出てきているなと感じているので、それを縮めるために、「熱い缶コーヒー」時間を設けています。美容室だと、やっぱり素で話せないこともあるので、缶コーヒーを持って散歩しながら話をするんです。
お店の中では先輩と後輩という意識が抜け切らないので、お店を出た場所で話すことが重要だと思います。まずはその子を知ることから始めていくんです。地道な対話を積み重ねていくことで、僕たちの言葉が若手スタッフの動力になればという思いで接しています。
- プロフィール
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我部友希 がべゆうき
sand マネージャー
美容専門学校卒業後、都内大手サロンに入社。後にsand CEOとなる島崎譲氏のアシスタントを経験。2017年にはsandのオープニングスタッフとして参加する。スタイリストデビュー後からは、ボブに特化したスタイルを発信。現在は技術教育の責任者として、sandから新たなスターを送り出している。
インスタグラム:gabegabegram
(文/QJナビDAILY編集部 photo/松林真幸)
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