【sand教育論】新進系カットサロンでスタープレイヤー続々輩出。SNS集客で成功する一方で、美容師の本質を追求する教育を重視。
2017年に銀座から始まったsandは、着々とカットサロンとしての地位を固め、現在は全国6店舗に展開するまでに成長。さらにカットに強いスタープレイヤーを輩出していることでも注目されています。そんなsandでは積極的に中途スタッフも採用し、独自の教育カリキュラムで個々の才能を引き出し、スタイリストデビューさせています。またSNSを駆使したブランディング戦略も見逃せません。今回はsand流の教育基幹の責任者でもある我部友希(がべゆうき)さんに教育方針を聞いてみました。
中途入社が活躍するsandの教育への取り組み
-中途採用でsandに入社するスタッフも多いそうですね。入社を希望する理由は何なのでしょうか?
「sandでスタイリストになると売れる」という期待感もあるようです(笑)。中途入社のスタッフも一から学び直してデビューテストをクリアすることが必須になりますが、それでもsandで働きたいと思ってもらえるのはありがたいことです。実際、sandのデビューテストで合格点が取れているなら、きっとお客さまはリピートしてくれるでしょうし、売れっ子になります。向上心を持って美容をやりたい人には最適な環境なのではないでしょうか。
sandの技術教育では、カットにとても力をいれています。ベーシックなものから、トレンドや顧客ニーズに沿ったカット技術はマストです。難しいものではないですが、合格のジャッジをだす僕たちの目線はかなり厳しいです。ボブというお題だったら、真っ直ぐキレイに切れて、似合っていれば完成ですが、それだけでは不合格です。きちんと内側にズラしてカットがされているのか。前髪の形はこれで本当に似合っているのか。カウンセリングでお客さまの思いが汲み取れているか。そこそこの技術では合格を出さないよ、と(笑)。
-業界的にはアシスタント期間が短縮されつつありますが、sandではどうでしょうか?
sandもその流れに準拠し、短縮されつつあります。またカリキュラムの内容も精査し、つい最近もより時代に沿った、顧客ニーズに対応したものに変えたばかりです。ただアシスタント期間が短くなっても、それを補う教育は会社ぐるみで取り組んでいます。
実は僕自身がアシスタントの時、5人のスタイリストについた経験があるんです。スタイリストにつくことで、技術の幅が広がりますし、接客の時の距離感など実体験から得られることは非常に多いです。幸いsandにはそれぞれの個性を生かして活躍するスタイリストが多くいるので、スタイリストたちのサロンワークからも大いに学べます。そこで学ぶことは、お客さまに対する思い、心を込めた技術や接客、後輩へのフィードバックなど。一番大切な人間力をスタイリストの背中から学んでほしいと思います。
時代とは逆行する事を言いますが、アシスタント期間で費やした時間が結果になると信じています。練習を重ね、技術を磨き上げた人だけが、お客さまを幸せにできるという思考は、スタッフみんなに持っていて欲しいですね。
>SNSは大事。でもそれ以上にsandが大切にしていることは?
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