心も身体も満たしてくれる「まかない飯」を毎日提供。表参道のサロン「kind」のご飯事情

「まかない飯」を食べるようになってスタッフは痩せました

 

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-「お昼は10分で済ませてしまう」という美容師さんも多いようですが、kindさんではどのように食事の時間を確保しているんですか?

 

マンションのキッチンで作った料理を店舗に持ってきて、それぞれのスタッフの手が空いた時間に、裏のスタッフルームで食べています。時間的な余裕は、おそらくほかのサロンと変わらないと思います。ただ、パッと食べられる食事が用意してあれば、買い物に行く必要もないし、その分ゆっくり食べられるかもしれません。それでも、「10分で食べなきゃ」という日もありますけどね(笑)。

 

-勤務時間が長い日は、夜食として食べるなんてこともありそうですね。

 

そうです。時々、夜食として食べているアシスタントさんもいますね。私はお昼が大体17~19時だから、お昼なのか夜なのかよくわからなくなる時もありますね(笑)。

 

-まかない飯を作り始めて、店内の雰囲気に変化はありましたか?

 

お昼過ぎに毎日、炊飯器を持ったスタッフが店内を通るので、居合わせたお客さまから「あれは何?」とお声をかけていただけることがあって、会話のきっかけになっています。常連のお客さまだと、まかない飯のことをご存じの方もいますので、「今日のメニューは?」なんて聞かれることも。お客さまと盛り上がれる会話のテーマが、自然とできたのは嬉しいです。

 

-まかない飯の提供を始めて、スタッフさんからどんな反応がありましたか?

 

まずコンビニに行かなくなったので、スタッフがみんな痩せました(笑)。たぶん余計なお菓子とかを買わなくなるからでしょうね。料理に関しては、私が「失敗したな」と思う日でも、みんな遠慮しているのか「おいしかった」と言ってくれます。

 

忙しい日はなかなか食事がとれないときもあって、以前は「お腹空いた」とこぼしていたスタッフが、今は「早く佐々木さんのご飯が食べたい」と言うようになり、「よしよし、かわいいな」と(笑)。

 

今週は月曜に親子丼を作ったんですが、月曜休みの女性スタッフから「佐々木さんの親子丼が食べたいから、別でとっておいてください」と頼まれ、水曜の朝、彼女はその親子丼を「幸せ」と言いながらモリモリ食べていました。そうやって喜んでもらえると、作りがいもありますね。

 

-スタッフ同士のコミュニケーションの活性化においても何か変わりましたか?

 

スタッフ間で、「あれがおいしかった」、「こんなメニューが食べたい」なんて会話が増えました。元々、スタッフ同士はすごく仲がいいんですが、よりコミュニケーションが活発になりました。

 

スタッフの健康を気遣う佐々木さんはスタッフのお母さん

 

-まかない飯を作ることで、佐々木さん自身の働き方にはどんな変化がありましたか?

 

買い出しや料理に時間をとられることは増えましたが、スタッフが「おいしい」と言って喜んで食べてくれるのが、すごく嬉しい。もともと料理が好きだったので、仕事の楽しみがひとつ増えました。

 

みんながメニューのリクエストをくれるので、スタッフがまるで自分の子供のように思えてきました。母親のような目線でスタッフの健康面も考慮するようになり、バランスよく野菜を使ったり、季節の食材を使ったり、工夫しています。お客さまとスタッフから、ダブルで感謝されるようになり、仕事の喜びが2倍になりました。

 

プロフィール
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スタイリスト/佐々木 令子(ささき れいこ)
茨城県稲敷市出身。山野美容専門学校卒業した後、都内一店舗を経て、1998年kindに入社。「似合うヘアスタイルと髪質的に出来るヘアスタイルはイコールではないので、ライフスタイルを考慮した上で最善のヘアスタイルをご提案」をモットーとする。趣味は、着付けと料理。

(取材・文/高良 空桜  撮影/QJナビ編集部)

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