設立5年でリタイアゼロ! 上司は叱る必要はない。新人はアウェーで戦っているのだから―Lond石田吉信さん
部下の成長に「叱る」ことは必要ない
―スタッフが辞めてしまう原因になる、これはダメだという上司の「叱り方」はありますか?
言いたいときに、言いたいように言ってしまうことだと思います。
僕は部下を叱る必要はないと考えています。その説明をする前に、一つ感想があるのですが、僕は、世間はスタッフが辞める原因を「叱るからやめてしまう」という一言に集約しすぎだと思うんです。サロンの雰囲気や、面接時と違ったサロンの実情など、もっと複雑な問題があって辞めているんです。
―石田さんは、叱らずにどのように指導されているのでしょうか。
例えば入ったばかりのアシスタントは、道具の場所も動線もわからない。サッカーで言えば、アウェーで戦うようなもの。そんなときに100%のパフォーマンスなんてできるわけがないんです。そんなときに叱られたらモチベーションが下がるだけ。そこに“叱る”という行為は必要ないと思うんです。
物の位置もわからない段階であまり叱ってもしょうがないなって。その人の目標や夢、なりたい像を把握した上で「じゃあ、今はここをこう変えたらどう?」というような投げかけをすることで、本人が自ら問題に気づいて改善していくように促したほうがいいと思うんです。
―上司は部下の「成長ポイント」に気づく力が必要なんですね。最後に、このようなコミュニケーション手法をよく知るようになった経緯を教えてください。
僕らも経営は未経験なのでわからないこともあります。でも、会社を立ち上げるときに、今まで自分たちが経験してきたことで、不合理だったことや理不尽と感じたことは、なるべく排除していこうと決めたんです。
そして今、僕たちは理美容業界1位の年商を目指しています。僕自身が今の手法を超えて身につけなければならないスキルがまだあると思っていますし、僕だけがスキルアップしても会社の爆発的な成長には繋がらないでしょう。
何より、短時間で成長を収めるためには、よりいい方法を学ばなくてはいけない。よりいい方法を学ぶために、僕がしてきたことが本を読むことです。それを今、経営に関わるスタッフ全員にも実践してもらっています。1ヶ月の中でよかったと思う本を1冊選び、「その本を読んでみたい」と思わせることを目的としたプレゼンをする機会をつくったんです。
とある本から知ったのですが、いち組織としてのまとまりの限界が150〜200名ぐらいと言われているんだそうです。そうなると、今後は僕自身が認識できないことも増えてくるし、どのような組織にしたら限界を超えられるのか、など、まだまだ分からないことだらけです。でも成長のためには学び、行動し、検証し続けていくしかないんですよね。