ファッション、音楽、アート、海外カルチャー…。感性とセンスを育てたDaB HARUTOのコトダマ「本物を知れ」
大先輩に言われた「楽しくやらなきゃ」
僕は心配性なところがあって、いろんな人に意見を聞きすぎたり、考えすぎたりして方向性を見誤ってしまうことがあるんです。一昨年のTHAのときに、山田千恵から「最終的には自分だから、楽しくやりなさい。デザインは楽しくやらなきゃ」と言われて、その言葉がすごく響いたんです。結果を残す人って、楽しんでるんですよね。当日に楽しめる人が最強だな、と腑に落ちました。かなり自分が切羽詰まっていた時期に聞いた言葉だったので、改めてそのマインドセットができて、好きなデザインを切ろう!と思ったんです。
でも、当日楽しくやるためには、めちゃくちゃ練習しないといけないんですよね。それがわかっていたので、去年の『THA 2024』では週3日は店に泊まり込んで、誰よりも練習しました。没頭するとリミットがわからず練習しちゃうので、体重も5kgやせたんですよ(笑)。その練習によって技術も上達し、おかげで当日は純粋にコンテストを楽しめましたし、優勝も果たせて。「楽しくやらなきゃ」という言葉が、結果に導いてくれたなと思います。
さらに嬉しかったのが、それを見に来てくれた両親がボロ泣きするくらい喜んでくれて、親孝行もできたんです。父は自分ができなかった”全国区で有名になる”という夢を、僕にさせたかったみたいなんですね。僕は両親が与えてくれた環境をジャンプ台にして飛躍するところを見せたいと思っていたので、『THA 2024』はDaBにとっても、家族にとっても大きな出来事になりましたね。
「次は、マルチプレーヤーのステージだ」
今年もTHAに出て2連覇で”絶対王者”になろう、なんて思っていたんですけど、代表から「お前はすでにステージが上がったんだぞ。次はマルチプレーヤーになれ」と言われて、気づいたんです。自分のことだけに一点集中するフェーズが終わって、次はサブマネージャーとしてDaBのために、後輩のために先頭に立って突っ走らないといけないと。もっと違うことに挑戦する時期がきたんだなって。教育もそうですし、ヘアショー、撮影などの活動。コンテストは後輩が結果を残せるようにリーダーとして引っ張っていこうと、改めて思いました。
美容師人生は長いので、ここからは、さらに上のステージに上がれるように、上がったステージに長くいられるように、さまざまなことを考えていかなきゃいけない。自分のキャパを増やしながら、後輩たちにいい背中を見せていきたいなと思っています。

- プロフィール
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HARUTO(ハルト)/『DaB DAIKANYAMA』SUB MANAGER
兵庫県出身。15歳から人気雑誌のファッションスナップで活躍。日本美容専門学校卒業後、DaBに入社。4年間アシスタントとして経験を積み、2022年にスタイリストデビュー。TOKYO HAIRDRESSING AWARD2024グランプリ。確かな技術力と独自のセンスを組み合わせたヘアデザインが、幅広い世代から支持されている。
Instagram: @haruto_0210
(文/織田みゆき 撮影/松林真幸 MIKAN inc.)
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