努力して当然!もっとやれ!早くやれ!悩みは成長の糧……! 気品あるハイトーンヘアを生むカリスマを鼓舞した言葉 stén衣川光のコトダマ
第一線で活躍する美容師たちの人生を変えた「恩師の言葉」を紹介する「美容師のコトダマ」。今回は、stén(ステン)代表の衣川光(きぬがわひかる)さんが影響を受けた言葉をご紹介します。前職の「日本一予約される美容室」ALBUMで、その中心メンバーの一人として教育を担当していた衣川さん。現在は原宿の竹下通り近くにsténを立ち上げ、同じく人気美容師の金内柊真さんと共に、サロンを経営しています。気品あるハイトーンヘアで美容師からも大注目の衣川さんを動かした「コトダマ」とは?
弱っているときに先輩の痛烈な一言「お前だけが頑張ってると思うな」
アシスタントだった頃の僕は、夜遅くまでサロンに残り、誰よりも練習していることを自負していました。
このまま練習すれば必ず結果が出ると思ったのに、なかなか芽が出ない。多分、僕は不器用なうえ、努力の仕方がよくなかったんだと思います。美容専門学校の同級生が、他のサロンでスタイリストデビューしたりしているのを傍目で見て、悔しかった。とにかく焦りを感じていました。
ようやくスタイリストデビューを果たした後も、2、3年は売上も上がらず……。ちょっともう美容師をやめようかな……と思ったこともありました。それなりに美容に時間を投資していたし、努力の量なら負けないと思っていたから、悲劇のヒーローのように自分を捉えていたんですよね。
なので、先輩にも「努力しているんですけれど……」と相談すれば、「大丈夫、いつか芽が出るよ」と慰めてもらえるものと思っていました。ところが、ある先輩が「お前だけが頑張ってると思うな」と僕を𠮟ってくれたんです。まさか叱られると思っていなかっただけに、これはガツン!ときたんですよね。
努力をして当たり前だし、努力がすぐに実らないのも当たり前。先輩の一言で、開き直ることができたかなと思います。そうやって、気持ちの切り替えができると、不思議と成果も出てくるものです。がむしゃらに努力するのではなく、何をどう改善したらいいか考え、SNSなども挑戦したこともよかったんだと思います。