レジェンド美容師の愛弟子&ショートのカリスマが胸に刻んだ言葉 unplugged紺野善仙のコトダマ
似合わせ技術を磨くきっかけ「これからいろんな髪型にするからよろしくね」
あるお客さまが帰りがけに「これからいろんな髪型にするからよろしくね」と声をかけてくれたことがありました。そのお客さまの目がすごく真剣だったんですよ。これはお客さまに期待していただいているんだなと気が引き締まりました。
「いろんな髪型をするから」と言われたことで、ショートだけでなく、ボブやロング、韓国風のヘアなどのオーダーに対しても、最高のものを返していけるようにしたいとより技術のブラッシュアップに力を入れるきっかけになりました。
最初はショート推しから始めましたが、今ではウルフもボブもミディアムも得意です。ショートから新しい髪型にチャレンジしたいお客さまも喜ばせる自信があります。
ちなみにそのお客さまは、僕がサロンを辞めて独立してからも、遠方に引っ越されてからも、いまだに切りにきてくださいます。
切る前に結果は出ている「カウンセリングの時点でカットは終わっている」
ある先輩スタイリストが「カウンセリングの時点でカットは終わっている」と言っていました。この言葉を、カウンセリングをするときに毎回思い出しています。
カウンセリングの時点で完成系をイメージして、それをお客さまと共有できれば、あとはその通りに切るだけです。
ただ、大事なのは最初のカウンセリングで、鏡の前に立つときに、自分の状態をフラットにしておくこと。先入観を持たずに、お客さまの立ち居振る舞いやファッション、言葉から情報を吸収しています。
お客さまの言葉をそのまま受け取るのではなく、より魅力的になるように提案することも大切です。「髪型じゃなくカラーを変えてみましょうか」「今の季節に合う髪型にしましょう」とか、さりげなく伝えてみる。髪型で冒険したくないお客さまに、無理に提案することはありませんが、自分ではどうしたらいいかわからないだけで、もっと可愛く、綺麗になりたいと思っていないお客さまはいませんから。
しっかりお客さまの要望を踏まえて、プロの立場からよりお客さまに似合うヘアデザインを提案したいと考えています。だから、1日に大勢の人の髪を切ることよりカウンセリングに時間をかけてお客さまに満足していただくことを重視しています。
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