Z世代カリスマ美容師の何苦楚魂(なにくそだましい)に火をつけたコトバ iki TENDOのコトダマ
「お前、口だけやん」先輩に痛いところをブッ刺される
美容師になったばかりの頃の自分は、本当に面倒くさい男でした。めちゃくちゃ頑固でプライドが高く、先輩たちに対しても常に反抗的。「自分はこうだと思う」と一度主張したら譲らない。経営者になった今の僕から見れば、「成長しない美容師の典型」だったと思います。
デカい口ばかり叩いていたのに、実力は伴っていませんでした。それでも、根拠のない自信にだけは溢れていました。事実、自分が大成すると確信して疑っていませんでした。1年目のくせにカラーやシャンプーの仕事が地味で嫌で、他のアシスタントに仕事を押し付けたりしていました。そして、ドライブローを勝手に担当したりしたのですが、別に上手いわけでもないんです。それでも、先輩に反抗する。本当に厄介なヤツだったと思います。
3つ上の先輩がアシスタントリーダーをしていたのですが、あるとき「お前、口だけやん」と言われたんです。腹が立ったけれど、それが真実だったので反論できませんでした。口だけの男なんて、めっちゃカッコ悪いですよね。そのカッコ悪い自分を変えたくなり、先輩たちの言うことを一度素直に聞いてみることにしたんです。そうすると、自分でもわかるぐらいしっかりと成長するんですよね。当たり前の話ではあるんですが。
シャンプーの指名もどんどん増え、いつの間にかトップに立つことができました。根拠のない自信が、徐々に本当の自信に変わっていきました。
ただ、周りの先輩たちはまだ僕のことを信用していなかったと思います。「またいつ自己中心的になるか分からない」という感じだったと思います。その証拠に、僕が大阪のサロンを辞めて上京すると決めた時も、特に止めようとする人はいませんでした。もう少し引き留めてほしかったなとは思うんですけれどね(笑)。