ダメ出しから始まった美容人生! VeLO/vetica、LECOで浴びた叱咤激励 LECO 小林賢司のコトダマ
内田聡一郎からの一撃「俺だったら、お前みたいな美容師は嫌だわ」
LECOの代表、内田聡一郎のメインアシスタントについていたころ、ほとんど叱られたことはありませんでした。でも、唯一、キツめに叱られたのが、美容学生に対する接客についてです。
僕は親しみを持ってほしいから、美容学生に対してフランクに話していたんですが、内田はカウンセリングから一貫して敬語で話しているんです。なのに、僕はシャンプーをしているときに敬語を使わなかったんですよ。
それを見た内田から「俺だったらお前みたいな美容師は嫌だわ」と言いながら、軽くパンチされました。パンチは痛くなかったけれど、心が痛かったですね。
たしかに、美容学生や高校生からしたら、美容室で子ども扱いされるより、一人前の大人として接客されたほうがうれしいですよね。そのことに気付かされてからは、僕はいつでも、誰に対しても丁寧な言葉で、親身に接客するようにしています。
言われて心躍った「足りないピース持ってきたね」
僕は内田に叱られたことも少ないですが、褒められたこともほぼないんですよ。10年以上一緒に仕事をしているのに。
ですが、つい最近、社内のフォトコンテストなどでも結果を出せるようになり、「足りないピース持ってきたね」と言われました。
僕は接客が好きだし、技術も磨いてきたから、お客さまにも恵まれています。仕事をそつなくこなせていたものの、クリエイティビティという部分では結果を出せていませんでした。僕自身、苦手意識もありましたし。でも、苦手だからこそ向き合い続けていくうちに、ようやく結果を出せるようになってきたかなと。
ちなみに、内田はあの忙しい中スタッフの撮影に必ずついてきてくれるんですよ。その撮影の仕事が、LECOの看板を背負うことになるからということもあるとは思うんですが。
細かいことを指摘するというより「もうちょっと粘ったほうがいいんじゃない?」とクオリティを上げるための後押しをしてくれるんです。でも毎回現場に来てもらうのも申し訳ないですし、安心して送り出してもらえる仕事ができる男になりたいです!

- プロフィール
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LECO
スタイリスト/小林 賢司(こばやしけんじ)
1988年生まれ。東京都出身。山野美容専門学校卒業後、2年間のフリーター生活を経て『VeLO/vetica』に入社。2018年2月、内田聡一郎氏が代表・トップディレクターの『LECO』にオープニングスタッフとして参画し、スタイリストデビュー。イラストレーター(graphicmaster_koba)としても活躍中。
(文/外山武史 撮影/菊池麻美)
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