ヘアデザインの枠を飛び越えたクリエイター nenenイッシキケンタを進化させたコトダマ
「全部イッシキさんにお願いしていいですか?」
僕はヘアデザインをするだけではなく、一枚の写真として作品を作ることにも興味があります。すでに様々なプロジェクトが進行中で、例えばジュエリーブランド「Dot. / ドット」のデザイナーさんから「全部イッシキさんにお願いしていいですか?」という依頼を受け、フォトブックのレイアウトやアクセサリーの撮影まで、全体のディレクションをするプロジェクトに取り組んでいるところなんですよ。
もともとは、ヘアデザインとファッションに注力した撮影がメインでしたが、「Dot. / ドット」のデザイナーさんの言葉がきっかけで、ディレクション全体に携わりたいという気持ちが強くなりました。というのも、依頼をいただいたおかげで、僕はヘアデザインやファッション、もしくはアクセサリーだけではなく、1枚の写真で「世界観」を作ることが好きだと気づいたからです。
僕と同じくディレクター志向のスタイリスト下岡くんと共にギャラリーを借りて、写真展示する計画もあります。今後は、ヘアデザインだけではなく、ディレクションから関わることができるようなチームを組み、スタイリング、ヘアメイク、カメラなどのすべてを任せてもらえるようになりたいです。
僕たちが表現したい世界観は、例えば、Vogueの表紙のようなものです。アイキャッチになる素材が必ず含まれているけれど、決して奇抜ではなく、洗練されている…そういったものを表現できる場所を求めています。
これからも、クリエイティブコンテストに出場して、そこで評価されるような作品を作り続けたいと考えています。それと同時に、ただの写真ではなく、物語があるようなものを作ることにこだわり続けたいです。
プロフィール
nenen 代表
イッシキケンタ
京都府出身、高津美容専門学校通信課程卒業。大阪府内の美容室で働いた後、上京して派遣美容師として勤務後、2013年La familiaに入社。サロンワークだけはなく、クリエイティブに力を入れ、フォトコンテストにも多数入賞。2022年に独立を果たし、原宿にnenenをオープン。ファッションや雰囲気にフィットするヘアデザインに加え、アパレルブランドの撮影ディレクションも手がけている。
Instagram:@isshiki_kenta
(文/外山武史 撮影/菊池麻美)
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